ジャーナリストが暴いた「マイナンバー501万件流出」をひた隠す“厚労省の闇”

Tokyo,,Japan,-,18,August,2021?my,Number,Card,,,Japanese
 

マイナンバーと保険証を紐づけて利用する「マイナ保険証」で相次ぐトラブル。この騒動をほくそ笑んで見ている役人がいるという話があるようです。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』で評論家の佐高さんは、501万件のマイナンバーが中国に流出した事実を暴いたジャーナリスト岩瀬達哉氏による最新の告発記事を紹介。本来ならば流出した501万件の番号は交付し直すべきなのに、隠蔽されたまま騒動に紛れて何の手当もされずに詐欺などの犯罪に利用されている可能性を指摘するとともに、問題多発でも押し進められる「マイナ保険証」の闇を伝えています。

マイナ保険証の闇

『フォーラム21』という雑誌がある。発行人は乙骨正生。ユニークな創価学会批判の雑誌である。その9月号にジャーナリスト岩瀬達哉が「自公が推進するマイナ保険証の“闇”」を書いている。

驚いたのは、「マイナ保険証」騒動を厚労省年金局と日本年金機構理事長の水島藤市郎がほくそえんで見ているという指摘である。5年前、彼らは約501万件にのぼる「マイナンバー」を、中国のネット上に流出させた。

岩瀬によれば「その事実をいまだにひた隠しにしているのだが、『マイナ保険証』のトラブルに国会議員の意識が集中していることで、この流出問題が忘れられていることに胸をなでおろしている」のだとか。

「マイナ保険証」を推進するには、トラブル解消とともに、中国に流出した約501万件のマイナンバーをすべて交付し直さなければならない。しかし、隠しているから、対策も何も取られていない。この流出後、「オレオレ詐欺」の被害者を占める65歳以上の高齢者(年金受給世代)は、5年間で72.5%から86.6%に格段にふえている。

竹中平蔵は「サンデー毎日」の9月3日号でこう言い放った。「ひも付けミスへの批判はあるが、あのくらいの人為ミスは誤差の範囲内だ。システムを変える時、100%なんてあり得ない」。これが国会議員や大臣もやった者の発言なのである。

昨年6月のマイナンバー法改正によって、「マイナ保険証」と保険情報のひも付けが完了していないのに本格運用を始めたので、同保険証を読み取るカードリーダーで「資格(無効)」や「資格情報なし」と表示されるケースが続出した。本来、診察料の3割から1割負担のはずが「10割負担」を求められるトラブルも発生して、医療機関からも不満や怒りが噴出したのである。

あわてた岸田首相も、7月10日以降、カードリーダーが「無保険」と表示しても、保険に加入していることを申告する書類(被保険者資格申し立て書)に記入すれば、本来の負担額で受診できるようにした。

また来年秋に保険証を廃止した後は「マイナ保険証」を取得しない人全員に、保険証にかわる「資格確認書」を送付することにしたが、健康保険に加入している約6500万人の半数にそれを作成するとしても約2億円かかるのである。そんな手間と費用をかけなくても、「マイナ保険証」へのひも付けが完了するまで、従来の保険証と併用すればいい。

大体、なぜ、これまでの保険証ではダメなのか。つまりは、コンピューターメーカーやシステム会社に利権をもたらすために「マイナ保険証」を強引に進めようとしているとしか思えない。病歴や治療歴、投薬歴などの個人情報を国家に把握されることに不安を抱かない人はいないだろう。ただでさえ信用できない国家(政権)なのだ。

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