台湾有事で見捨てられる2万人の在台邦人
一方、日本政府の退避行動では、17日時点で自衛隊機がアフリカ東部のジブチに1機、イスラエルの隣国ヨルダンに2機に到着し、待機している状況だ。日本政府はその前にドバイまで避難できる民間チャーター機を手配したが、それにはたった8人しか乗らず、国民退避の行動では上手いマネージメントができていない。本来であれば、お金のかかる民間チャーター機ではなく、自衛隊機を早期に準備し、退避してくださいと現地邦人に強い姿勢を示すべきである。だが、今回のケースでも日本の対応は諸外国と比べても遅く、何より国民の安全を守るのだとする強い意志が感じられない。
しかし、これは極めて怖いことだ。なぜなら、今後日本はもっと深刻な国民退避というケースに直面する恐れがあるからだ。中東情勢で米国が深く関与する中、北京ではロシアのプーチン大統領と習国家主席が会談し、中露関係をさらに蜜月にすることで合意した。米国が中東やウクライナの問題で時間を割かれることを習氏は狙っており、それによって台湾有事のリスクはいっそう高まるだろう。
台湾には2万人の邦人が生活を送るが、有事を念頭に2万人の安全を守り、如何に多くの日本人を安全に退避させるかを今のうちから政府は検討しておく必要がある。しかし、2万人の退避はイスラエルの比ではないが、今回のような意識と姿勢で臨めば、間違いなく日本は大きな課題に直面し、犠牲となる日本人は多くなるだろう。
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