先日掲載の「悪いのはジャニーズだけじゃない。名物芸能レポーターがTV界から干された真相」や「ジャニー喜多川の卑劣。敵視するジャーナリストへ長期にわたり「報復」の衝撃事実」そして「NYタイムズの「ジャニー喜多川」写真掲載をストップさせた大手通信社、取材を妨害した大手新聞社の名」の記事で、ジャニーズの恐ろしい一面を暴露した、ジャーナリストの上杉隆さん。今回上杉さんは自身のメルマガ『上杉隆の「ニッポンの問題点」』で、最終回として「最後の暴露」をしています。
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【ジャニーズカルテル(4)】最終回「帝国は崩壊 したか?」
ジャニーズ事務所の問題で本当に悲惨だったのは、デビューできなかったジュニアたちです。 百歩譲って、タレントとして活躍しているデビューできたジュニアは相対的にまだ幸せです。実は、その何倍もデビューできなかったジュニアたちがいるわけです。
そうしたジャニーズジュニアというのは、ジャニーさんとの関係を断った人、もしくはジャニーさんから寵愛を受けなかった人、あるいはデビューまでは我慢したが、心の傷を負い、その後退所した人など、こういう人たちは事務所を辞めていくしかなかったわけです。
そして、辞めてどうなったかというと、やはり少年ですから 心の傷、身体の傷を受けるわけです。その傷を背負ったまま、誰にも言えない苦しみを宿し、親にも 言えない、友人たち、仲間にも言えない。一方で、華々しくテレビの世界で活躍しているジュニアの仲間を目にしながら、人生の負け組というレッテルを貼られ、学校に戻ろうとする者もいるが、実際はそこに居場所はないんですよ。
「あいつ、ジャニーズ事務所にいたよな。だけど、なんかあいつ、全然デビューもできないで終わってしまったじゃん」みたいに強烈な劣等感を植え付けられて、心の傷もそうですけど、キャリアの傷もついて、なかなか普通の仕事や生活もできないわけです。あるいはゲイの世界に引き込まれる人もいました。
だが、一番悲惨だったのは、当時、私が確認したっだけでも2人の少年が、自ら命を絶ったという現実です。これがニューヨークタイムズでの取材の原動力にもなりました。シムズ特派員もそうだったんですけど、これは絶対に許せないな、絶対に放置すべきじゃないと認識を一致したのがこの情報に接したからだと記憶しています。
この問題を3回にわたって記事にしたはずですが、3回目は掲載を見送られた。3回目の取材時に担当のシムズ特派員が アメリカに戻ってしまったので、 ニューヨークタイムズにはこの問題を引き継いでやる記者がいなかったということもあります。そこで、フリーになった私がジャニーズ問題を引き継ぐ形になったんです。
とはいえ、私自身、独立した当初はステルスでした。しかし、この問題は必ずやらなくちゃいけないなと心に決め、実際に力をつけた数年後から発信を再開しました。それが、連載で触れたり、講演で話したり、あるいはラジオやテレビでさわりだけ触れてスタジオを凍らせたり、そんな感じでジャブを打ち続けていました。
しかし、なにをしても、この問題になるとどんなに優秀な記者やメディアでも黙殺になるんですね。『週刊文春』も途中で黙殺しだしたんですよ。松井清人さんが経営に行ってしまい、木俣正剛さんが現場を離れ、島田真さんが別の部署に行ってからは、ジャニーズ事務所の写真集などを出したりね、文春自体も間違いなく妥協していましたね。
そうは言っても、事件は終わらずに、ジャニーズ事務所の横暴は続いていくんですね。当事者のジャニー喜多川さんだけではないですよ、メリーさんはかなり強行でしたし、矢田次男弁護士は変わらず、児童虐待に加担していました。もちろん、テレビ局を中心としたメディアは言わずもがなです。
ジャニーズ事務所の問題にちょっとでも触れるような出演者は即共演禁止という、いや共演NGどころか、メディア業界から基本的に追放されていくんですね。で、何を言いたいかというと、いま現在「噂は知っていた」としらばっくれているメディアの人間は、当時一人残らず、この事件を知っていたということなんです。知らないはずはありません。なにしろ、私自身、ジャニーズ問題に触れるなと言われたことはたぶん100回以上あります。つまり、テレビやラジオのディレクターやプロデューサーやあるいは記者や編集者から100回を超えて言われるということは、上杉隆がニューヨークタイムズ時代にこの問題に触れて、ジャニーズ事務所から「お達し」が届いているという証左なのです。
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