幸福とは何か?それを考え、創り続けるふたつの企業があります。今回のメルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、幸福創造企業を目指している和食レストランの坂東太郎と種鶏処理業界トップを走る南薩食鳥の経営者二人のインタビューを紹介しています。
一番大切なのは社員。和食レストラン坂東太郎、鶏肉加工・販売の南薩食鳥が目指す幸福創造企業
関東で和食レストランを中心に直営84店舗(取材時)を展開する坂東太郎。鶏肉の加工・販売を手掛け、種鶏処理業界トップを走る鹿児島の南薩食鳥。
共に幸福創造企業を目指し、社員・取引先・お客様の幸せを追求した経営に邁進しています。
─────────────────
〈坂東太郎 青谷〉
……あと、私が大事にしているのは働いている人への信用です。かつては事業計画を私一人でつくり、来年はこの売り上げを目標に頑張ってほしいと数字を提示していましたが、やはり皆の意見を入れようと。店長が現場のスタッフと話して意見をまとめ、事業計画書や予算書を自分たちでつくる。
そのための勉強会や研修も実施し、いくら売っていくら利益を出すか、自分たちの給料もその範囲の中で決めてもらうんです。調整やアドバイスは当然しますが、そうやって皆が納得する形でガラス張りの経営を20年近く続けています。
やはり私が一番大切にしているのは社員です。二番目が取引業者さん、三番目がお客様だと考えています。経営者が社員を大切にすれば、この社長のためにも頑張ろうと思いますし、満たされた社員がお客様を大切にするからです。
次は取引業者さん。私どもは他で売れている商品を持ってくる業者とは付き合わないようにしています。まだどこにも出していない商品を持ってきてくれると、お客さんに自信を持って提供できる。お客様を喜ばせてくれる業者さんを大切にしてあげなければならないと思っているんです。
三番目がお客様です。これは決してお客様を蔑ろにしているということではなく、お客様を大切に考えるからこその順番なんです。社員と取引業者さんを大切にすることによって、お客様に満足していただけるサービスを提供できるわけですからね。
〈南薩食鳥 徳満〉
全く同感です。私どもの「経営の心得」第六条に「顧客満足の追求は第一義なれど、社員満足無くして顧客満足は無いものと知れ。又企業発展の礎は全て和親一致の精神からもたらされるものであり、その為にも相互信頼・融和協調を基本に、個人の創造力と組織の強みを最大限に高め、活かし得る企業風土を創らなければならない」とあるように、当社も社員第一を謳っています。また、毎年正月に鹿児島市の城山観光ホテルで謝恩会を開催しています。
それから、当社も予算計画は各部署でつくります。もちろんヒアリングとチェックを私が経理と一緒にして、計画が甘かったりきつかったりすれば、その都度調整を加えています。そして、計画を達成した部門には経営計画発表会で必ず達成賞と賞金を出す。