NTT広報室 vs 楽天・三木谷会長のケンカ勃発、自民の密室「NTT法議論」めぐり泥沼バトルの何故

Tokyo,,Japan,-,30,October,2021?signboard,Of,Ntt,East,,
 

自民党内で「NTT法廃止」が議論されているとの報道を受けて、楽天の三木谷浩史会長が、X(旧Twitter)の個人アカウントで疑義を表明し、KDDI、ソフトバンクの社長も加勢しました。それに対しNTT広報室の公式アカウントが真っ向反論を展開したことで、大きな注目を集めています。この状況を専門家はどう見ているのでしょうか。今回のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』で、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川さんは、自民党が進める「密室での議論」が可視化されると歓迎。総務省は4社幹部と公開で議論すべきと提言しています。

NTT広報室の公式Xアカウントが楽天・三木谷会長に噛みつく

NTT法のあり方についての議論がX(旧Twitter)にまで波及した。詳細は割愛するが、楽天・三木谷浩史会長に、NTT広報室の公式Xが噛み付くなど、すでに泥沼の様相を呈している。個人アカウントにNTTという企業アカウントがツッコミを入れること自体に驚きを隠せなかった。

17日の朝、たまたまNTT広報室アカウントが単独で呟いているのをすぐに発見。リポストした後にすぐに消されてしまった。その直後、今度は三木谷会長に返信する形でのポストに変わって投稿されたがまた削除されたりと、かなり慌てて投稿している様子が伺えた。実際、投稿された文書も、あまり練られた感じがせず「社員が勝手に投稿したのか」と思えるほどのクオリティであった。しかし、一部報道では「NTT広報室によるもの」と認めているため、NTTとしての正式な声明と捉えていいようだ。

事業者間のポスト合戦が盛り上がりを見せるなか、自民党の議員が「現在、NTT法等のあり方について自民党内で様々な角度から検討している最中です。提言案が公表されていない段階で、不正確な報道もあります。加えて、我が国の主たる情報通信事業者同士のSNS上でのやりとりを見ると非常に残念です」と呟いていた。

そもそも、自民党の一部が、密室で事を進めようしている不信感から、通信会社の幹部は声をあげているのではないか。公開での議論ではないからこそ、「不正確な報道」が出てしまうのではないか。

「我が国の主たる情報通信事業者同士のSNS上でのやりとりを見ると非常に残念です」とあるが、SNS上でやり取りされると、自民党のやりたいようにできない危機感を抱いているのではないだろうか。

通信会社が記者会見を開いたことで、メディアがNTT法について取り上げやすくなった。さらに、幹部がSNSで発信し、バトル形式が面白おかしく伝わったことで、ネット民にも一気に広がった。もはや「SNS上でのケンカ」で、ややエンターテインメントになりつつあるが、それでもNTT法がどうあるべきかが、一般に伝わることは重要だ。

これによって、自民党のプロジェクトチームが暴走すれば、それが可視化され、国民にもその状況が理解されることだろう。ニッポンの未来の通信のあるべき姿を議論していくのに、自民党の密室で全てが決められてはいけない。自民党の中でも反対勢力が出ているようで、ここはじっくりと時間をかけて、議論を進めていくべきだろう。

X上で、お互いが「ナンセンスだ」と罵り合っても、空中戦で終わるばかりで進展はない。ここは総務省できっちりと、4社の幹部などが集まり、インターネット中継をした上で、「未来の通信がどうあるべきか」を語り合い、NTT法のあり方を詰めていくべきだろう。

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日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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