虚構話とニセ証拠で被害保護者を“モンペ”に仕立てる悪質さ。調査で浮上した「全国的いじめ隠蔽マニュアル」が存在する可能性

 

神戸市教育委員会に不都合な部分に施されたマスキング

さらに偽造はある。

当日スライドのスクリーンショット?ご提供

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これは情報開示によって出てきた資料とのことだが、あるはずがない文書なのだ。

事件は18年前のことだ。『女王の教室』『電車男』『ごくせん』『ドラゴン桜』がドラマでやっていたころ、学校の職員室にはパソコンは数台しかなかった時代のこと、パソコンが使えない教員は多くいたという背景があり、当時の担任はパソコンが使えなかったのだが、いじめが起きる1年前から記録をつけていたというパソコンで作った44頁における被害児童についての記録が市教委から出てきたのである。それもこの記録は被害児童にのみ作られ、その他児童については作られていない。

4.情報公開しても都合の悪いところはマスキング

マスキングについては主に個人情報を黒塗りすることになるが、市教委の隠ぺいに都合の悪い部分をマスキングして自分たちの主張の整合性を保とうとする。

当日スライドのスクリーンショット?ご提供

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マスキングがない資料を見ると、PTAについての話であり、特に個人情報というものではない。この内容にマスキングがないと不都合なのは神戸市教委のみで、学年集会で被害者の母が作文を代読したことが何の許可もなく突然読みだしたとしたい側だけなのだ。真実は、校長の許可の下、プログラムされていたことであるが、真実を隠したい隠ぺい側の都合でマスキングをしてしまうわけだ。

5.謝罪したふり

よくテレビで教育長などが謝罪をして頭を下げる映像があるが、神戸18年間いじめ隠ぺい事件においては、神戸市教委はマスコミに謝罪を前提とするとだまし討ちをして、前撮りという記者会見の前に写真を撮るというよくあるメディア対応をして謝罪をしているよな写真を撮らせて、実際の被害者との面談では一切の謝罪をしなかったのだ。もちろん、被害者には今もなお謝罪はしていない。

当日スライドのスクリーンショット?ご提供(前撮りをした写真)

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これら5つの隠ぺいの様子は、他のいじめ事件でも良く見受けられる。

例えば、山梨県北杜市の被災者いじめでは、情報公開制度を利用して開示請求をしたところ、事実とは全く異なる報告書が出てきたり、第三者委員会の名簿に黒塗りをして誰なのかわからない状態で許可を取り付けようとするなど、とんでもない状態が続いていた。

和歌山県海南市教育委員会では、記者さん達の取材が入っても虚偽回答ばかりを続け、メディアの間で、これはおかしいぞとなった。

静岡県湖西市でも、大阪でも同じような教育委員会や学校側の隠ぺい工作はあったことが確認されているのだ。

さて、神戸市18年間いじめ隠ぺい事件で行われた隠ぺいについては、動画が上がっているので、ぜひとも皆様には観てもらいたい。本記事では取り上げていないAIからの回答などもあり、率直な当事者の思いもわかる。

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