米国ゼロクーポン債のメリットとは?
将来の超円安に備えるなら、金利の上がっている現在の米国の「ゼロクーポン債(ストリップス債)」を、10年~20年後に備えた将来の「自分年金」として準備するのが、「円資産防衛術」になるでしょう。
わずか数年後に償還の既発債も現在3%以上の年利回りだからです。
ゼロクーポンとは利息(クーポン)が付かず満期時に1万ドルで償還される割引債なので安く買えて複利効果が狙える金融商品です。
証券会社は手数料収入が乏しいため、けっして積極的にPRはしませんが、円高の時にこれを買った人は現在大きな含み益を抱えています。
たとえば約19・3年後の2043年5月に1万ドルで償還される米国ゼロクーポン債は現在4522ドルで購入でき、満期日に1万ドルで償還されると購入時の2・21倍になり、年利回りは約4・148%です(データは2024年1月12日時点)。
このゼロクーポン債を1ドル140円時に購入すると、円建ての投資元本は、633080円です。
仮に、思惑がまったく外れて、今より2倍の円高が進んだとして、1ドル70円になっても、受け取る円換算額は70万円なので、この時点において、額面金額では元本毀損はありません。
「1ドル=70円」なら、インフレにもなっていないでしょう。
投下元本は約63万円だから、簿価の上では元本割れしない――という計算は成り立つのです。
1ドル140円が250円になったら単純に資金が約1・8倍に増え、350円になったら2・5倍です。
「1ドル=500円」なら、3.57倍です。
もちろん、少しでも円高の時にゼロクーポン債を買うのが米国ゼロクーポン債購入の賢い投資法になります。
いかがでしょうか。
もちろん、元手がないと、こうした投資も出来ませんが、円建ての金融資産を米ドルという価値で守るだけでなく、さらにゼロクーポン債という債券によって、安く購入し時間を味方につけて増やすとともに為替差益も狙っていける――という投資法なのです。
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