「岸田のまま6月解散」に現実味。自民派閥潰しの結果がこれなのか…嘆く有権者が誤解した「日本の仕組み」

 

有権者が参加するオープンな党首選挙を

まず制度ということでは、首班指名以外の党議拘束の解除と、党首公選制度の整備、この2点が喫緊の課題であると思います。

若者の投票率が低いのは、若者の意見や利害を代表する政治家がいないからではありません。そうではなくて、そもそも若い人の代表は当選回数が少ない中では与野党を問わず、政策決定に関与する党内の権力が持てないからです。

党議拘束の解除は非常に大きな問題だと思います。

そう考えると、自民党の岸田総理が派閥解消という「奥の手」に出て支持率の微増を勝ち取りつつ、6月解散の可能性を虎視眈々と狙っていることと、共産党の党首交代が密室で行われたことは、偶然の一致ではないと思います。

公明正大な政策論議と代表選出のプロセスを、この両党は全く同じように持ち合わせていないわけで、勿論、他の政党も同じようにダメダメであるわけです。

この2点、何度でも言いますが、党議拘束の解除と透明で有権者が参加する党首選挙、つまり首班候補をオープンに選ぶシステムということが、日本の民主主義には必要だと思うのです。

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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