「岸田のまま6月解散」に現実味。自民派閥潰しの結果がこれなのか…嘆く有権者が誤解した「日本の仕組み」

 

一体どう「総理総裁を選出」するのか

仮に、無派閥グループ(旧、安倍、岸田、二階の残党)が1つのグループになってきた場合にはどうか、などという集合離散が問題なのではありません。

そうではなくて、例えばですが、今回の裏金問題の本丸というのは、「裏金を私的な飲食に流用」したとか「賄賂性のあるカネが動き利権が動いた」というような話ではないのかもしれません。

その本丸というのは、例えば衆院選において、あるいは参院選において、更には総裁選挙において、地方の票をどうやって引っ張ってくるか、その場合に地方政治家をどう組織化するのかという問題に関わってくるのだと思います。

この点においては、河井事件というのが一つの好例です。

清和会安倍派は、広島における宏池会岸田派の勢力を削ぎたい、そこで河井夫(安倍派)と妻(二階派)の集票マシーンにカネを投下して、岸田派の溝手(故人)が落ちても良いぐらいの姿勢で参院広島選挙区(定員2)に2名を擁立したのでした。

その際に動いたカネというのは、裁判でかなり明らかとなっていますが、広島県の地方政治家に薄く広くバラまかれていたわけです。

この河井事件の場合は、とにかく総額1億5千万円というカネが党本部から出て、そのカネが、広島選挙区における有権者である広島の地方政治家(県議、市議など)に行ったので、「買収」ということになり、河井夫妻は政治的に破滅しました。

ですが、この事件が示しているのは、結局のところ中央政界に行きたい、従って国会議員になりたいという場合に、選挙区での集票には地元の集票マシーンがフル稼働する必要があり、そこでは結局カネが物を言うということです。

ということは、今回の裏金事件の本丸というのは、地方への、つまり選挙区へのバラマキということを考えるのが常識的ということになります。

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