2011年、地上波テレビ広告としては初めて2分間の映像を広告として流した。ほぼ長編映画に相当するレベル。韓国人の情緒を表現するには15秒は短すぎるということだった。家族・友人・隣人の価値を前面に出す戦略は的中した。単なるお菓子ではなく、「気持ち」の証として認識されたのだ。関連論文まで出るほど独特な事例として挙げられる。現在、チョコパイ市場では元祖が勝機を握っている。オリオンの関係者は「発売50年を迎え、顧客への恩返しのためのイベントを企画している」と話した。
ロシアでは前大統領(メドベージェフ)がおやつとして楽しみ、マンゴー、チェリー、ケシなどチョコパイの種類だけで14種類。ベトナムでは祭祀の膳に上がるほど絶対的に愛されている。いずれもオリオンがしっかり握っている国々だ。
しかし、インドに限っては事情が違う。ロッテが2004年、現地の会社を買収して先に打って出たためだ。宗教的な理由で牛肉を食べない味覚を考慮し、植物性原料を活用したマシュマロを開発した。市場シェア約70%。現地化に成功し、売上も2022年650億ウォンから昨年760億ウォンに跳ね上がった。高速鉄道の機内食メニューにも含まれた。ロッテウェルフード代表が今年初の海外訪問地としてインドを選んだ理由だ。
チョコパイは今、名実共に「Kフード」の最前線として世界を駆け巡っている。人気の証は偽物の登場。2015年には堂々と「Choco Pie」という製品を発売し、東南アジアやインドまで輸出したベトナム製菓会社もあった。2018年ベトナム特許庁(NOIP)が現地業者の商標権侵害結論を下したが、依然として偽物業者等は「Choco Pai」等(PieとPaiが違う)に名前を変えながら笑えない度胸一本商売を繰り広げている。オリオン関係者は「誤認消費による被害を防ぐために措置をしているが、味が違うので偽物はどうしても売れないようだ」と話した。自信に満ち溢れている。偽物が登場したことで人々が多く知ることとなり、しかも本物志向が強まるため(おいしいから)オリオンとしては静かに法的処置を待つだけのようだ。(朝鮮日報参照)
チョコパイの宣伝のようになってしまったが、決して宣伝したいわけではない。筆者も日本帰りのときのお土産としてよくもっていくお菓子がこのチョコパイなので、ご紹介させていただいた次第。ご理解のほど。
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