北朝鮮が「岸田首相は訪朝するかも」などと口にし始めた訳。水面下の日朝交渉は難航か

 

では、なぜこのような政策転換に進んだのか気になるところである。いくつかその背景が考えられる。筆者は、まずは、2019年の米朝首脳会談の決裂にも起因すると考える。そして現在まで行われている核開発の進展が大きく後押ししていると考える。また、社会面では、脱北者の脱北理由には、韓流文化の浸透で韓国への憧憬が大きな割合を占め、体制維持のためには、経済力の差が大きい南側の韓国に「吸収統一」を避けたいからである。

韓国側の衝撃もさながら、「祖国統一」を信じてきた在日朝鮮人の思いは如何ばかりか…。

金与正氏が「岸田首相が平壌を訪れる日が来るかもしれない」など日本との関係をめぐる異例の談話を発表した。これは、日本側の今後の出方を注視する姿勢を示し、日米韓3か国の連携に揺さぶりをかける狙いもあるが、水面下の日朝間の交渉は難航していることの表れでもあると考えられる。

(國學院大學栃木短期大學兼任講師 宮塚寿美子)

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image by: 朝鮮労働党機関紙『労働新聞』公式サイト

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