3.「読売テレビと紀藤正樹弁護士」を訴えた裁判は
2022年7月20日に放送された「ミヤネ屋」で紀藤正樹弁護士が「信者に対して売春させていた事件まである」と話した内容が、統一教会を誹謗中傷するものだとして、読売テレビと紀藤正樹弁護士に対して2,200万円の請求の訴えを起こしました。23年3月13日に、その判決があり、原告(統一教会)の訴えは却下されます。
この発言の趣旨は、「統一教会から分かれ出た、一番ひどい分派団体の事例について述べたもので、統一教会自体の名誉を棄損するものではない」と、紀藤弁護士側は主張していましたが、それが認められた形になっています。
番組内で紀藤弁護士は「非常に深刻な事件まであって、お金集めのためには何でもするっていう発想が今分裂含みで問題が生じていると思います」との話をしていますが、この点についても裁判所は認めた形の判決になっているとのことです。
ただこの判決が、メルマガ発行の前日ので、充分にまとめきれていませんので、あらためて他の記事などで詳しくまとめられればと思います。
4.今年に入って、教団側の棄却、敗訴3連打が意味することとは?
すでに今年1月25日「ミヤネ屋」(読売テレビ)で本村健太郎弁護士の発言をもとに訴えた裁判でも、「『裁判所の判断として原告の布教活動が違法であると認定されている』という本件発言ないし、論評の前提事実の重要な部分は真実であると認められる」として、原告(旧統一教会)の請求は棄却されています。今年に入って、敗訴が3つ続いています。
12日に出された「統一教会スラップ・有田訴訟の勝利判決を得ての声明」のなかで「本判決がこのような判断に至ったのは、有田発言に真実相当性があると判断したからだと弁護団は考えている」としており、言論の萎縮を狙ったスラップ訴訟であることが裁判の場で示された結果になったといえるかと思います。
その観点からみれば、フランスの反セクト法(カルト規制法)には「多大な司法的闘争」がありますが、豊富な資金力をバックに、自分たちに反対するものを駆逐するために訴えを起こすことが示されたとすれば、今後も社会との軋轢を生む行為を起こす可能性があります。それだけに、こうした判決の結果が続いたことで、フランスのようなセクト規制法に向けての議論も必要になってくるかと思います――(この記事はメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』2024年3月14日号の一部抜粋です。続きはご登録の上お楽しみください、初月無料です)
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image by: Unification Church Hungary, CC0 1.0, via Wikimedia Commons