追い詰められた統一教会。有田芳生氏と紀藤弁護士へ仕掛けたスラップ訴訟に「連敗」、日本に求められる「セクト規制法」制定

Hak_Ja_Han2006-02-05
 

22年、テレビ番組での発言で名誉を毀損されたとして、ジャーナリストの有田芳生氏と紀藤正樹弁護士を相次いで訴えた旧統一教会。東京地裁は先日、この2つの訴えを棄却する判決を言い渡しました。今年1月、弊サイトに掲載した記事で教団側の「敗訴ラッシュ」を予想していたのは、かつて旧統一教会の信者だったジャーナリストの多田文明さん。多田さんはメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』で今回、これらの判決が意味することを解説するとともに、今後の旧統一教会の動きを見据えた議論の必要性を訴えています。

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※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:3月12日、13日とも旧統一教会の訴えは却下 教団の関連団体が行う能登半島ボランティア活動についての弁護士の見解

今年に入って、統一教会側の敗訴「3連打」が意味すること

今月に入っても、推薦状に盛山正仁文科大臣がサインをした写真が出されるなど旧統一教会の問題は盛んに報じられています。しかも、これは教団の関連団体の信者側からのリークで、教団側が旧統一教会の問題の火を消すまいと必死になっている姿にさえみえてきます。

さらに、3月12日、13日に東京地裁で、旧統一教会がジャーナリストや弁護士を訴えた裁判の判決もありました。連日、訴えは却下となり、教団側は自分に降りかかった火を消そうとして、その火がより燃え広がっている結果となったように感じています。

1.「日本テレビと有田芳生氏」を訴えた教団側の訴えは棄却

2022年8月19日のテレビ番組「スッキリ」で有田芳生さんが発言した「やはりもう、霊感商法をやってきた反社会的集団ってのは、警察庁ももう認めているわけですから、そういう団体とは今回の問題をきっかけに、一切関係を持たないと、そういうことをスッキリ言わなければだめだと思うんですけどね」について、旧統一教会は名誉棄損されたとして日本テレビと有田芳生氏さんを2,200万円の損賠賠償請求と謝罪広告で訴えました。その判決が3月12日にありました。

原告の請求は棄却です。

判決後に行われた司法記者クラブの会見で澤藤大河弁護士は「全面的な棄却判決となり、名誉毀損ではないという判断が明快に示された」と話します。

光前幸一弁護団長も「裁判所がこの判断を下すということは、有田さんの発言には真実性があることを踏まえた上で、統一教会の主張に対しては門前払いの判決になっている」としています。

有田さんは勝訴判決を受けて「そもそも名誉毀損に当たらないという門前払いだということに大きな意味があると思っております。これからひるむことなく、統一教会の反社会性について発言をしていきたい」と力強く話します。

2.文科省による統一教会への解散命令請求の前哨戦になるとの見解

有田芳生さんの弁護団は「この訴訟は単なる名誉棄損事件ではなく、被告側の有田さんから原告の統一教会の反社会性の立証を積み上げてきたものである」として文科省による統一教会への解散命令請求の前哨戦になるとしています。

阿部克臣弁護士は「2022年の10月27日の提訴時の会見で、これは確実に勝てる訴訟だ、かなり絞り込んでいるんだと自信を見せていたんですね。ところが、今日の判決では、そもそも名誉毀損に当たらないということになりました」と話します。また

「もう一つ補足しておくと、現在の東京地裁で別の裁判官が審理している解散命令請求事件と今日の判決が関わってきます。

解散に値する教団かどうかの要件として、組織性、悪質性、継続性というのが言われています。

まさにこういうスラップ訴訟(不都合な言論を封じることを目的にした訴訟)をどんどん起こしてくるということ自体が、悪質性を裏付けるものになるわけです。統一教会のこういう反社会的な属性を示しています。まさにそこを裏付けたという意味で、解散命令請求にも影響を与える判決だと思います」

とも述べます。

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