統一教会の「敗訴ラッシュ」が続くのか?元信者が読む“逆ギレ裁判”の行方

Hak_Ja_Han2006-02-05
 

これまで弊サイトでもたびたび取り上げてきた、旧統一教会による「逆ギレ」とも言うべき2つの訴訟。今年3月にその判決が下りますが、いかなる結果を見ることになるのでしょうか。今回のメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』では、かつて旧統一教会の信者だったジャーナリストの多田さんが、「教団の敗訴ラッシュになる」と予想。さらに旧統一教会と関係が深い世界日報が、裏金問題に揺れる安倍派にエールを送った事情を解説しています。

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24年は、旧統一教会のスラップ訴訟への敗訴ラッシュが続くことになるのか

2023年は、10月13日に文化庁より旧統一教会への解散命令請求が行われて、一昨年の銃撃事件に続く激動の1年となりました。24年は司法の場での解散命令が争われることになり、目が離せない状況です。

一方で、12月の臨時国会では与党の提出した旧統一教会の被害者救済法は成立しましたが、野党の包括的財産保全法案は不成立となり、本当の意味での救済の道はいまだ、ひかられていない状況です。

詐欺も多く起こりました。なかでも、「頂き女子りりちゃん事件」は、悪質ホストクラブによる売掛金(ツケ払い)の実態を世に示すことになりました。今、国も地方公共団体も動きだしています。

昨年3月に国から「SNSで実行犯を募集する手口による強盗や特殊詐欺事案に関する緊急対策プラン」が出されたことをうけて、警察もAIを駆使して闇バイト募集の早期発見、書き込みの削除依頼を運営サイトに行っています。

しかしながら、闇バイトの募集する犯罪組織の側も同じような募集内容を次々に書き込み続けるなど、24年も詐欺グループとのいたちごっこが続くと考えられます。

1.2023年の犯罪・詐欺・悪質商法における手口は「正体を隠す」

今年の犯罪・詐欺・悪質商法における手口をあげるとすれば「正体を隠す」です。

犯罪の世界では、1月に「ルフィ」を名乗る犯罪グループによる強盗事件が世の中を震撼させました。

もともとは特殊詐欺を行っていたグループで、ここで行われたものこそ、「正体を隠す、偽る」です。

指示役は「ルフィ」などを名乗り、秘匿性の高い通信アプリを通じて、自らの存在がわからないようにして、強盗の実行役に指示を出していました。その後、指示を出していたのが、海外のフィリピンの収容施設内であることがわかりました。そして今村被告を始めとした指示役と思しき4人が国内に移送されて、逮捕、起訴されています。

組織的詐欺でも、いかに自らの正体を隠してお金を奪うかを考えています。「正体を隠す」は他のキャッシュカードを詐取したり、還付金詐欺などの特殊詐欺グループにもみられることです。

なんといっても、10月に、文化庁から旧統一教会に対し行われた解散命令請求では、長年行われ続けてきた「未証し勧誘」の問題をあげています。

旧統一教会名を隠した正体隠しの勧誘が、文化庁のヒアリングによって、全国で組織的に行われていたことが明らかになりました。すでに数々の民事裁判で正体を隠しの勧誘の違法性が示されてきましたが、ようやく国のよって認められたのが2023年になります。

いずれしても、23年の始めから終わりまで「正体を隠す」の手口がクローズアップされていたように思います。

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