モスクワのテロは“闇バイト”だった?SNSの募集に応じ80万円でロシア市民を虐殺した実行犯

 

実をいうと、「イスラム国犯行説」と矛盾していません。まず、逮捕された実行犯は、「金のため」と正直に告白していました。『日テレニュース』3月24日付。

ロシアのコンサート会場で起きた銃乱射事件で、当局は容疑者11人を拘束したと発表しました。現地メディアが公開した尋問の様子とされる映像の中で、容疑者の一人は、およそ80万円の報酬を約束されたと話しました。

ロシアメディアが公開した容疑者への尋問の様子を撮影したとされる映像では、拘束された男は調べに対し、50万ルーブル、日本円でおよそ80万円を約束され、人々を殺したという趣旨の話をしていて、テレグラムというメッセージアプリで指示を受けたと話したということです。

「80万円を約束され、人々を殺した」そうです。そして、「テレグラム」で指示を受けたと。

で、具体的に、どんなテレグラムなのでしょうか?『中央日報』3月28日付。

ロシア・モスクワ郊外の公演場で銃を乱射して無差別攻撃をしたテロ犯は、イスラム極端主義武装勢力イスラム国(IS)の分派「イスラム国ホラサン州」(ISIS-K)のテレグラムチャンネルで募集されたと、スプートニク通信が27日(現地時間)情報筋を引用して報じた。

 

この情報筋は「特定人物に関する資料が確保された。彼はテロ攻撃を遂行するために人を募集するテレグラムチャンネルの会員だったという同僚の話があった」と伝えた。

 

また別の調査過程で「クロッカスシティーホール(公演場で)テロ攻撃をした人たちは同じくテレグラムチャンネルで募集されたことが確認された」とし「これはサドイ・ホラサン(=ホラサンの声)というテレグラムチャンネル」と説明した。

「イスラム国ホラサン州」(ISIS-K)のテレグラムチャンネルで募集されたそうです。

流れをまとめると、

  • 「イスラム国ホラサン州」(ISIS-K)のテレグラムチャンネルで、「テロ実行犯」が募集された【 闇バイト! 】
  • 報酬は、日本円換算で80万円
  • それで、イスラム国の聖戦戦士としては、奇妙な行動をしている

ということなのでしょう。

タジキスタン人の実行犯たちは、「80万円ゲットできる」という闇バイトに募集し、143人を虐殺した。

しかし、逮捕されたので、報酬の80万円も受け取れない。それどころか、何十年も刑務所で暮らすことになる。本当に、彼らにとっては、破滅的な闇バイトでした。そして、犠牲になった民間人がとてもかわいそうです。

(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル2024年3月28日号より一部抜粋)

image by: Studio MDF / Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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