富裕層は社会保険料が上がっても痛くもかゆくもない
そして、社会保険料ばかりが増額されるのはもう一つ大きな理由があります。それは社会保険料の値上げは、富裕層にほとんど負担がないということです。
このメルマガでは、何度も、昨今の日本は富裕層優遇の政策ばかりを行ってきたとご説明してきました。社会保険料の値上げも、富裕層優遇政策が大きく関係しているのです。
富裕層にとって、社会保険料はいくら値上げされてもほとんど関係ありません。
現在の社会保険料は、原則として収入に一律に課せられています。たとえば厚生年金の場合は約8%です。
しかし社会保険料の対象となる収入には上限があるのです。たとえば厚生年金の場合は月65万円です。
つまり65万円以上の収入がある人は、いくら収入があろうが65万円の人と同じ額の保険料しか払わなくていいのです。となると、毎月650万円もらっている人の保険料というのは、0.8%になります。普通人の10分の一です。
そして、月収が650万円を超えれば超えるほど、社会保険料負担率は下がっていくのです。
つまり、社会保険料というのは一定の収入を越えれば、収入が多ければ多いほど、負担率は下がるのです。
なぜこんなことになっているのでしょうか?社会保険料の掛け金があまり多くなると、見返りの方が少なくなる、というのが、表向きの理由です。
しかし、そもそも社会保険料というのは「国民全体の生活を保障するために、各人が応分の負担をする」というものです。だから、人によっては掛け金よりもらえる金額が少なくなっても当たり前なのです。