元国税OB怒りの2択クイズ「社会保険料が上がり続けるのは〇〇〇」丸に入るのは? ア「少子高齢化のせい」イ「値上げしやすいせい」さあどっち

 

社会保険料は上げ放題

現在の税金、社会保険料は、江戸時代の農民よりも高いと述べましたが、特に社会保険料の高さは目に余る、と言えます。

というのも、税金と社会保険料の計算方法は、かなり違います。税金は、収入から、様々な所得控除を差し引き、その残額に対して税金が課せられます。

サラリーマンの場合は、「給与所得控除」で収入の約30%が控除され、基礎控除、社会保険料控除、扶養控除などでだいたい100万円以上が控除されます。そのため、年収500万円の人でも、課税所得は300万円くらいになるのです。

この300万円に対して税率がかけられる、だから税率が10%と言っても、実際は年収の6%程度になるのです。

しかし、社会保険料というのは、そういう「所得控除」的なものがほとんどありません。年収500万円の人の場合は、500万円そのものに社会保険料が課せられるのです。

だから、500万円の約30%(事業者と従業員の負担の合計)がそのまま社会保険料として取られてしまうのです。

この社会保険料の大きな負担は、サラリーマンの生活を圧迫してきました。

しかも、です。この社会保険料は、近年、急激に上げられてきたのです。

サラリーマンの健康保険は、2002年には8.2%でしたが、現在は10、0%です。しかも、40歳以上の場合は、介護保険の1.58%が加わっているので、合計で11.58%となっているのです。

つまり20年前は8.2%だったものが、現在は11.58%になっているのです。20年の間に、実に4割近い値上げです。

また厚生年金は、1980年までは会社と社員の負担分を合わせて9%程度、2004年には13.934%でした。しかし、近年急激に上昇し、2017年以降は18.3%になっています。

1980年と比べれば倍になっていますし、2004年と比べても4割近い値上げです。

高額所得者の所得税は、バブル期に比べればかなり下げられてきているので、社会保険料だけがこんなに上げられているのは異様です。

社会保険料が上がり続ける理由は「上げやすいから」

なぜ社会保険料だけが、これほど急激に上げられたのかわかりますか?少子高齢化のため?いえ、違います。

もし少子高齢化で財源が必要だというのなら、一方で高額所得者の所得税を下げられてきたのは説明がつきません。

正解は「社会保険料というのは、上げやすいから」です。国民は、「税金を上げる」というと非常に反発します。しかし、税金と同じ性質を持つけれども、税金と名のつかないものに対しては、けっこう鈍感なのです。

特に社会保険料の場合は、「少子高齢化のために値上げは仕方がない」と宣伝すれば、国民は簡単に信じ込んでしまいます。そのため、これほど無茶な上昇となっているのです。

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