米英仏では廃止なのに?「経済安保情報保護法」を今さら作る日本の本音、旧統一教会の“影”懸念も

 

米英仏では廃止の流れ、なぜ日本で法律に?チラつく旧統一教会の影

政府は、日本が先進7カ国(G7)の中で、このコンフィデンシャル級を含め、機密情報を保護する制度が未整備であると指摘する。

しかし、日弁連の斎藤裕副会長は、

「コンフィデンシャル級の秘密指定は英仏で廃止され、米国も情報保全監督局が廃止を勧告している。非常にニッチな情報を保護する法律をなぜ作らなければならないのか」(*4)

と疑問を呈す。

提出された法律は、産業スパイによる機密情報の流出を防ぐために、監視システムの設置と罰則の適用を含む内容となっており、「スパイ防止法」という言葉が思い浮かぶ。

実際に、自民党は1985年にスパイ防止を目的とした関連法案を国会に提出していた(*5)。

しかし、この法案を推進したのは、旧統一教会系の政治団体「国際勝共連合」であったことを覚えておく必要がある。

日弁連の斎藤裕副会長は、

多くの市民の機微情報を国の機関が一元的に収集する制度は日本の歴史上初めてだ。権限行使の乱用を防ぐ仕組みが全く議論されていない」(*6)

と懸念するも、それが生かされていない。

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引用・参考文献

(*1)川田篤志、近藤統義「政府が大量の民間人を『適性評価』、秘密を漏らしたら最長5年の拘禁刑 経済安保情報保護法案の概要」東京新聞 2024年2月8日

(*2)「『身辺調査』の結果は上司に筒抜け…不利益はないのか 『経済安保』法案、岸田首『「今後検討する』連発」東京新聞 2024年3月20日

(*3)東京新聞 2024年3月20日

(*4)近藤統義「米英仏では『秘密指定』廃止の流れ 経済安保情報保護法案 なぜ今さら日本に?指摘される『最大の不備』は」東京新聞 2024年3月31日

(*5)岸本拓也、曽田晋太郎「統一教会系団体が推した『スパイ法』と相似形…閣議決定された経済安保情報保護法案の背後に何が」東京新聞 2024年3月5日

(*6)近藤統義、2024年3月31日

(『ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)』2024年4月13日号より一部抜粋・文中一部敬称略)

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伊東 森(いとう・しん): ジャーナリスト。物書き歴11年。精神疾患歴23年。「新しい社会をデザインする」をテーマに情報発信。 1984年1月28日生まれ。幼少期を福岡県三潴郡大木町で過ごす。小学校時代から、福岡県大川市に居住。高校時代から、福岡市へ転居。 高校時代から、うつ病を発症。うつ病のなか、高校、予備校を経て東洋大学社会学部社会学科へ2006年に入学。2010年卒業。その後、病気療養をしつつ、様々なWEB記事を執筆。大学時代の専攻は、メディア学、スポーツ社会学。2021年より、ジャーナリストとして本格的に活動。

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