海外に居住する中国人の立場でこのような党の監視が恐ろしい理由は、ややもすれば中国に住んでいる家族がいじめなどの不利益を受ける恐れがあるためだ。2022年11月、中国で「白紙デモ」がしばらく触発された時、海外にいる留学生の相当数がこれに同調し、中国当局は同調した人々の中国内家族を苦しめる形で留学生の動きを統制したと国際人権団体フリーダムハウスは明らかにした。
このような中国共産党の動きは、海外に居住する中国人の身動きの幅を狭める。外国人事業家の立場では、中国共産党とつながり、監視を受ける人を採用することをはばかるのだ。
『エコノミスト』はインド出身移民者と中国出身移民者を比較し「両国出身移民者ともに富裕で高等教育を受けたという点で似ているが、ビジネスと政治分野で中国出身はインド出身より顕著に成功的ではない」と分析した。
実際、グーグルの親会社であるアルファベット、マイクロソフトなど巨大企業を率いる人々のうち、インド出身は多数である反面、中国出身は少数だ。オランダ・レイドン大学のフランク・ピエケ教授は「シリコンバレーの会社の場合、中国出身よりはインド出身を好む」と話した。政治分野でも、インド系のリシ・スナック首相が英国を率いており、インド系の母親を持つカマラ・ハリスが米国の副大統領に再任するなど、インド出身の活躍は目立つが、中国出身はそうできずにいる。
これはひいては中国人に向けた差別として作用することもある。ドナルド・トランプ元米政府が出した「チャイナ・イニシアチブ」が代表的だ。ジョー・バイデン政権に入ってこれは公式終了したが、これによって2018~2022年の間に150人以上の中国学者が起訴され、結局多くの中国系研究者はこれを契機に米国を離れた。知識人でさえ中国出身という理由で米国など西欧の主流社会に編入できないのだ。(文化日報参照)
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