嵐・松本潤「13年ぶり舞台出演!」で記者が推測する「なぜ松潤は演劇から遠のいていたのか?」蘇る伝説の名演出家、あの日の言葉

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嵐・松本潤さん(40)が、野田秀樹演出の『正三角関係』で13年ぶりに舞台に出演することが決定。長澤まさみさん、永山瑛太さんらとの初共演もあり注目を集めています。ただ、ファンとしては「どうして松潤は13年も舞台から遠ざかっていたの?」という素朴な疑問も。そこで今回は、芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが「きっと、あの件と無関係ではないような気がする」とする、伝説の名演出家・蜷川幸雄さんと松潤のエピソードをご紹介しましょう。

松本潤「13年ぶりの舞台」で記者が気になること

『どうする家康』を終え「少し休ませてもらいます」宣言をした『嵐』松本潤が、『STARTO ENTERTAINMENT』社所属13組72人のライブ演出を担当したり、同社とグループエージェント契約を結んだ『嵐』と、『株式会社嵐』の設立をメンバー5人連名で報告する裏方から、いよいよ表舞台に戻ってくるようですね。

徳川家康から訳ありの花火師へ…と、野田秀樹演出の舞台に長澤まさみ永山瑛太と出演します。

松潤にとって舞台は、2011年故・蜷川幸雄さん演出の『あゝ荒野』以来13年ぶりになります。

伝説の名演出家、蜷川幸雄さんと聞いて私がすぐ思い出すのは、体調を崩す少し前に東京・渋谷の『シアターコクーン』でお見かけした姿です。

白のスポーツタイプのベンツから、運転手も兼ねた若いイケメン男性が蜷川さんの荷物を持ち降り、楽屋口までエスコートしたのを見たのが最後でした。

ひとりで戻って来たイケメン君が、一仕事終えたとばかり車の脇で深々とタバコを燻らせていたシルエットは、まるで映画のワンシーンのように私の記憶に深く刻み込まれています。

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なぜ松潤は舞台から遠のいていたのか?思い出される蜷川幸雄の言葉

松潤の13年ぶりという舞台…これは私のあくまで個人的な想像ですが、何故松潤が13年も舞台から遠のいていたのかは、蜷川さんが亡くなってしまったことに無関係ではないような気がしています。

私には『あゝ荒野』の公演前に取材に応じた蜷川さんの言葉が今でも忘れられないからです。

寺山修司さんの長編小説を舞台化したこの作品は、2人のそれぞれに悲しい過去を持つ若者がプロボクサーを目指しながら自分と改めて向き合う青春物語で、対人赤面症で父からDVを受けていた“バリカン建二”を小出恵介、父親が自殺し母親にも捨てられた野性的な“新宿新次”を28歳の松潤が演じました。

取材陣に「楽をしようとして、すぐに手を抜くんだよ」と小出恵介の事を語った蜷川さんでしたが、松潤の事は「とても練習して、よくやりましたよ。だてにトップアイドルじゃないね」と絶賛していました。

絶好調の『嵐』で多忙を極める中、体力作りで5㎏痩せて稽古場に現れた松潤を、なかなか人を褒めない人が珍しく褒め称えたのには、蜷川さんが松潤の役者としての“覚悟”を認め受け入れたという意味でもあったと思うのです。

2016年5月、東京・港区の青山葬儀所で行われた告別式には『嵐』から松潤、二宮和也が参列しましたが、最前列で霊柩車を見送る役者たちの中に、松潤の姿はありませんでした。

平幹二郎、大竹しのぶ、渡辺謙他そうそうたる参列者に身を引いたのでしょうか、藤原竜也、小栗旬、綾野剛、松坂桃李…名演出家はカーテンコールの拍手の中、見送られたわけですが、現場にいた私は、思わず知り合いの芸能プロダクション社長に「あれっ…松潤はどこです? 帰りました?」と聞いてしまったくらいです。

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松潤は野田秀樹をも唸らせるか

蜷川さんとはタイプが違いますが、野田秀樹さんも世界に誇れる名演出家と言えるでしょう。

松潤は今年に入って野田のワークアウトに参加し準備を整えているようです。

「アイドルとして忙しく、十分な稽古時間が取れないからジャニーズ事務所のタレントは使えない」と言っていた野田ですが、今の松潤なら十分に対応できるということなのでしょう。

以前からプライベートでも交流があるという野田を、演出家として敬愛しているという松潤が「できる限りの稽古を重ね、一生懸命食らいついて、これまでの自分を越えていけるよう試行錯誤しながら演じていきたい」と挑む舞台が楽しみですね。

2006年の舞台『白夜の白騎士(ワルキューレ)』では蜷川さんに「この不感症が!」と激怒されたものの、『あゝ荒野』では「よくやりましたよ」「あいつ、案外やるもんだね…もっとイジメてやるョ」という評価に変わった松潤。

今度の『正三角関係』を、天国から蜷川さんはどう評価するのでしょうね…。

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プロフィール:芋澤貞雄

1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao

記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」

image by: Japanese Station, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons

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