新宿タワマン刺殺「どっちもどっち説」のド正論。20代女性に同情できぬ理由、50代おぢが差別される訳…警視庁に忖度も?

2024.05.13
by 東山ドレミ
 

無視される「知性が欠落したおばさん」の存在

問題の記事では、「⑥社会経験の少ない若い女性を男が騙すホストクラブは取り締まりが強化されてしかるべきだが、良い歳をした大人の男性を女が騙すキャバクラはその限りではない」といった主張も展開される。

だがなぜ、男が女を騙すのは悪なのに、女が男を騙すのは許されるのか?ホストクラブの被害者が、庇護されるべき若い女性に限定されているという認識は実態にそぐわない、との声もまた少なくない。

若い女性をターゲットとする「売掛払い」が社会問題化しているのは事実だが、その一方でホストクラブには「良い歳をした大人の、知性が欠落した」おばさん客も多数おり、子や孫のような年齢の若い男に入れあげている。これは大人なら誰もが知っている「常識」であるからだ。

栃木県警は11日、元交際相手の男性(31)を包丁で刺した殺人未遂の疑いで、年金受給年齢間近の女性(64)を逮捕した。これが痴情のもつれか色恋営業かは不明だが、まともな「交際」だったとみる向きは少ないだろう。

33歳差の“刃傷沙汰”に人々が感じる一般的な感想は「被害者も加害者もどっちもどっち」「関わったらダメな人間たち」でしかない。そこに本来、被害者の性別は関係ないはずだ。

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警視庁への“忖度”があるのか?

さらに、「⑦生前の被害者女性に詐欺罪が適用されていないということは、女性の行為は結婚詐欺ではなく、法的にも問題なかったということ」との主張も、根拠が曖昧なことから議論を呼んでいる。

別のネットメディア編集デスクが、次のように指摘する。

「さまざまな論点がありますが、個人的に最も重大だと感じるのが、実はこの⑦です。『結婚詐欺』と呼ぶかどうか、呼称の問題はさておき、法的に問題がなかったと断定するのはさすがに“女性贔屓”が過ぎるのではないでしょうか。

各種報道によれば、被害者女性は和久井容疑者から前払い金1000万円を受け取っている。これは女性本人の証言であり事実と見られています。にもかかわらず、当時の警視庁は和久井容疑者をストーカー容疑で逮捕し、かたや被害者女性はお咎めなしとなりました。この判断が後に、刺殺事件というまさかの結末を呼び込んでしまうわけです。

つまり、警視庁の立場からすれば、この事件は『ヤバい奴』である和久井容疑者の一方的な思い込みによる凶行であってもらわなければ困る、という緊迫した状況にあります。一部の新聞や雑誌が被害者女性に同情的な情報を出したとしても、それは“忖度”かもしれない。鵜呑みにできないと思いますよ」

メディアと警察の距離の近さを考えれば、さもありなんとも感じられる今回の事件。

SNSでは、「和久井容疑者のかき集めた1000万円は、被害者女性にとってはすぐ稼げる額。その程度で相手にされるわけがないし、勘違いも甚だしい」といったネットユーザーの投稿もあり、たくさんの「いいね」がついている。

だが、給与所得者における年収1000万円以上の割合は上位約5%程度だ。まっとうに生きている人間なら、素性のよく分からない客から、そんな大金を受け取ることはしない。1000万円を稼ぐ大変さを身をもって理解しているし、それはときに殺人すら決意させるほど危険な額だと知っているからだ。

プロのキャバ嬢は複数の客を上手く転がし、生かさぬよう殺さぬよう薄く広く“継続課金”させるともいう。だからこそ、良識のある人々は今回の事件を「男も女もどっちもどっち」と斬り捨てるし、殺人を肯定はしない一方で被害者女性に同情もしないのではないだろうか。

それを正しく認識し、水商売や夜職がその他あまたの商売と区別され、高報酬なのはなぜなのか?をよくよく考えなければ、第二第三の事件を防ぐことはできないにちがいない。

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