この瞬間にも失われていく多くの命。私たちがリアルを知らぬまま通り過ぎる「歴史の中で記憶に刻むべきこと」

 

蓄積された知らないまま通り過ぎた悲劇に、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中の1995年に起きたスレブレニツァ虐殺事件を挙げていいだろう。

ナチス・ドイツによるユダヤ人へのホローコースト以来、欧州で最悪の虐殺。

国連軍の管理下にある「安全地帯」(非武装地帯)で推計8,000人のボシュニャク人(イスラム教徒)が殺害された事件である。

ユーゴスラビア解体に伴う複雑な紛争に当時、日本社会は紛争に米国の仲介が中途半端だったこともあり鈍感だった。

日本に伝わった断片は社会にストーリーとして浸透しなかったようで、記憶に乏しい虐殺となった。

もちろん講義の中でこの虐殺も取り上げたが、知っている学生はいない。

この虐殺をテーマにした映画『アイダよ、何処へ?』は真実性を語ろうとするエネルギーに満ちている。

戦争が行われている今だからこそ、映画や報道で敏感に戦争を感じる責務があるような気がしてならない。

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image by: Anas-Mohammed / Shutterstock.com

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障がいがある方でも学べる環境を提供する「みんなの大学校」学長として、ケアとメディアの融合を考える「ケアメディア」の理論と実践を目指す研究者としての視点で、ジャーナリスティックに社会の現象を考察します。

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