解散総選挙なら自民大敗「衝撃の予想議席数」…政局マニア岸田総理が上川「うまずして」発言の揚げ足を取るしかない理由

 

岸田総理に一発逆転の奥の手はあるのか

では、岸田としてはどういった作戦を考えているのでしょうか?

1つの可能性は、6月告示の東京都知事選に小池でも石丸でもない、「保守系無所属の超大物」を擁立できて、これに「自民党が推薦して足を引っ張っても、それでも勝てる」という計算(岸田の思い込みを含む)が成立した場合です。この場合には、解散による都知事選と衆院選の同日選挙ということは、ストーリーとしては成立するかもしれません。

2つ目は、一連のスキャンダルを有権者が忘れてしまいそうな、派手な公約を掲げて、そこで保守陣営をまとめてしまって強引に解散するという考え方です。それはズバリ憲法改正です。この憲法改正という錦の御旗を掲げてしまうと、保守分裂選挙への強い牽制になります。また左派陣営への強い圧力になります。

ですが、国際情勢はそれを簡単には許さないと思います。中国やロシアが態度を硬化するというのは、何とか計算して織り込むことができます。ですが、日本の憲法改正に対して、韓国が激しく反応して政権が再び左派になったり、折角作ったフィリピンとの連携が崩れたり、とにかく向こう側の分断工作の餌食になる危険がかなりあるわけです。

トランプ陣営の中でも元民主党員のトルシ・ギャバードなどは、防衛費2%は太平洋における日本の脅威拡大だなどとデマを流しており、ハワイで反日感情を煽ったり悪質です。得てして保守ではない岸田が保守政策に踏み込むような時には、国難を引き起こす可能性は高くなると思います。

岸田としては、党是だからということで、今のような言い方で憲法改正に乗り気な姿勢を見せる以上のことはできないと見ています。反対に、岸田がやりそうなのは皇室改革ですが、争点化するのは憲政の常道を壊すので、サクッと実績を出して民意を問うようにしたいのでしょう。ですが、時間はかかる話で難しいです。

ということで、この2つの作戦がどちらも成立しないとなると、やはり早期解散は難しくなります。その場合ですが、岸田としては「解散なき9月総裁無風続投」というのが、何としても狙いたい当面の作戦になります。

print
いま読まれてます

  • 解散総選挙なら自民大敗「衝撃の予想議席数」…政局マニア岸田総理が上川「うまずして」発言の揚げ足を取るしかない理由
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け