タイパにもほどがある?宇宙誕生から現代までの138億年をたった335ページで学べる本

 

さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。

私たちの過去は、三つの段階(フェーズ)に分けることができる

・無生物の時代:138億年前~38億年前

・生物の時代:38億年前~31万5000年前

・文化の時代:31万5000年前~現在

宇宙創成の瞬間から学ぶべきことがあるとするなら、ごく些細なことが宇宙の構造を大きく変える可能性があるという事実である

星(恒星)の寿命はその質量で決まる。星が内部に抱えこんだ燃料が燃え尽きるまでの速度が、質量で決まるからだ

138億年にわたる宇宙の歴史を貫いているのが、複雑さの増大というトレンドだ

物質が織物(タペストリー)のように精密に結び合わされるとき、複雑さが生まれる。複雑なものは、エネルギーを吸収することで姿かたちや生命を維持する。星には燃料となるガスが、人間には食べ物が、携帯電話にはバッテリーが必要だ。そこに共通する原理は、死を免れるためにはエネルギーの流れが必要だということだ

エネルギーの流入が止まればすべての構造は崩壊し、徐々に死滅する。走っている自動車は止まり、植物は枯れ、文明は崩壊して廃墟と化す

熱力学第二法則

エネルギーはそれ自体の分布を均等にする方向に流れる、という法則だ。つまり、エネルギーは多くあるところから少ないところへ、一方向にしか流れない。それは短期的には複雑さを高めるが、採集的にはエネルギーの分布が均等になったところで流れが止まり、複雑さは消滅してしまう

突然変異が生物に歴史的な変化をもたらした

代謝、生殖、適応の三つは、生命とは何かを定義し、生物と無生物の違いを定義するうえでもっともすぐれた概念である

小さな変化が大きなうねりとなって宇宙をかき乱す

「蓄積」。このシンプルな一つの言葉が、ホモ・サピエンスとそれ以外の種を分かつ違いをもっともよく表している。情報を蓄積する能力である。人間は、忘れ去ることより多くのことを次世代に伝え、世代を経るごとに保有する情報と知識の量を増やしていく。それを集団学習と呼ぶ

近未来は「4タイプ」のいずれかになる

1 テクノロジーによるブレークスルー

2 グリーン均衡

3 創造的撤退

4 崩壊

読み始めた時は、「これをビジネス書として紹介していいんだろうか?」という迷いがありましたが、読み進めるうちに、「現代ビジネスパーソン必読の教養書」と思うに至りました。

宇宙誕生から今まで、変わることのない繁栄の原理原則、生命の生存・進化のルールがわかる、興味深い教養本。

人類の未来をうらなう上でも、ぜひ読んでおきたい一冊です。

image by: Shutterstock.com

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Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

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【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

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