「日本人学校バス襲撃事件」で添乗員女性を“殺した”のは中国共産党だ。限界を迎えた習近平政権による反日政策

 

証明された「反日教育が善良な自国民を殺す」という事実

現在の中国政府は、今回の事件で非常に困った事態に陥っていると思います。表立って反日路線を貫くことができなくなったからです。反日を煽れば、日本人母子をかばって亡くなった中国人女性は、まさに当局の反日教育によって犠牲になったことになるからです。

つまり、彼女を殺したのは中国共産党だということになります。そのような声が広がれば、それは政権批判へと拡大していく可能性があります。ある意味で、これまでの中国当局による反日政策は、限界を迎えているということでもあります。

「日本鬼子」といえば、中国人を虐殺した残酷な日本人のイメージとして、反日教育ではさかんに喧伝されました。しかし中国当局がいくら日本人への嫌悪を煽っても、インターネットもあり、また、海外旅行も比較的自由な現代において、いくら日本人を悪魔のように印象操作しても、ほとんど効果がなくなりつつあります。

今回の事件は、中国による反日教育が、むしろ善良な自国民を害する結果になるということが明らかになった好例になったと思います。これからますます経済の悪化が見込まれる習近平政権にとっては、反日で人民の不満をそらすことができないのは、かなりの痛手であり、その不満は習近平政権に向かう可能性もあります。

中国は、すべてが政治の国です。スポーツ、文学、芸能、ありとあらゆるものが政治なのです。そして、それは人の生死においても同様です。

政権から見放された者は、悲惨な死が待っています。劉少奇や彭徳懐など、政治のトップにいた者でさえ、末路は悲惨でした。

今回、胡さんには「模範称号」が与えられました。しかし、いつ「親日売国奴」の汚名が着せられるかわかったものではありません。時代が変われば、すぐに評価が変わるのが、共産主義の独裁政権です。現在では中国政府が「孔子学院」を海外に数多く設立していますが、その孔子ですら、毛沢東時代には「批林批孔」ととして批判され、多くの孔子廟が破壊されました。

胡さんにしても、いずれ中国が反日活動にとって邪魔な存在だと思うようになれば、きっと「漢奸(売国奴)」として、吊し上げの対象になる可能性は低くありません。中国とはそのような国であり、共産党政権の思惑により、評価が一変するということを、再認識しておくべきなのです。

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