東京を切り裂く末脚。小池・蓮舫2強を猛追する石丸伸二は「誰の票」を食っているのか?都知事選最終盤は波乱含み

 

石丸氏は誰の票を食っているのか?小池氏・蓮舫氏を激しく追い上げ

だが、自民、公明、国民民主、都民ファーストの会、連合東京を味方につける小池百合子氏や、立憲民主、共産、社民が支援する蓮舫氏の組織票の壁は厚い。

とりわけ、小池氏には現職の強みがある。1947年から2020年まで21回行われた東京都知事選のうち、12回は現職知事が立候補し、全て当選している。

都知事は公務でメディアに露出する機会が多い半面、都政に関するメディアの報道は少なく、首相のように批判のターゲットにされることが滅多にないからだ。

石丸氏は現職知事の壁を超えられるのか。共同通信が6月29、30日に行った電話調査によると、東京都知事選の情勢は、「小池氏が一歩リード、蓮舫氏が続き、石丸氏が激しく追い上げる展開」となっている。勝敗を占うカギは、これをどう読み解くかだ。

自民党が告示前の6月15、16日に実施した情勢調査では、小池氏43.6%、蓮舫氏32.1%、石丸氏8.3%、その他7.8%、わからない8.2%だった。告示前から石丸氏への期待度が予想以上に高かったことがうかがえるが、二強にははるかに及ばない。これは選挙戦突入直後でも変わらず、6月22、23日の朝日新聞調査では「小池氏が先行し、蓮舫氏が追う展開、石丸氏は苦しい」とされていた。

それが今や「激しく追い上げる」ところまできたのだ。

石丸氏が東京で初めての街頭演説を行ったのが6月15日で、それ以降、演説会場に押し寄せる人波が回数を追うごとに増えていった。

メディア各社の情勢調査によると、石丸氏は無党派層だけでなく、自民支持層や維新支持層にもかなり食い込んでおり、この上昇カーブが維持されれば、投票日までにトップに立つことすら、あながち絵空事ではなさそうだ。

勝敗の行方はともかく、石丸氏の躍進ぶりは奇跡的というほかない。政党の支援を受けずに、首相候補とさえいわれる強力な現職知事を脅かしている。その原動力は、YouTubeなどSNSを活用したありのままの発信である。そこに新しい政治家像を見た見知らぬ人々どうしの結束の輪が生まれている。

もし、石丸氏が都知事に当選すれば、日本の選挙のあり方は確実に変わっていくだろう。

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