都知事選が炙り出した「既存政党」終わりの始まり。古い自民党政治を倒す第三勢力「デジタルイノベーショングループ」の台頭は日本を救うのか?

2024.07.10
 

共産党さえ切り捨てれば実現可能な「シン野党連合」

そして、共産党を除く、立憲民主党など野党各党に問いたい。今、自民党・公明党を倒し、政権交代に必要なことはなにか。それは、「シン野党連合」を形成することだ。

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要するに、サイレントマジョリティである無党派層のパワーを目の当たりにした今、まさにその支持を総取りにする政党連合を形成するということだ。

「シン野党連合」は、そんなに難しい話だと思っていない。改革と地方主権を掲げる馬場伸幸・日本維新の会代表。消費増税を封印し、安全保障政策などで現実路線を志向する泉健太・立憲民主党代表。「中道路線」を貫く玉木雄一郎・国民民主党代表。そして、かつて民進党を希望の党に合流させて政権交代を狙った前原誠司氏(新党「教育無償化を実現する会」代表)。

彼らには過去のさまざまな因縁がある。それはわかるが、政策志向は中道の現実主義でそれほど変わらない。一緒にやれない理由はシンプルに言って「共産党の存在」だっだ。実際、馬場氏も玉木氏も、その発言をよく聞くと、言っていることは「共産さえいなければ」ではないか。共産さえ切れれば、一緒にやれるのだ。

しかし、もう遅いのかもしれない。石丸氏のような完全無党派で、サイレントマジョリティの支持をかっさらう「デジタルイノベーショングループ」の政治家が現れ、それを支援する者がいる。いまさら気づいて「シン野党連合」を形成したところで、それに魅力を感じる国民がいるのだろうか。

image by: Instagram(【公式】石丸伸二 後援会

上久保誠人

プロフィール:上久保誠人(かみくぼ・まさと)立命館大学政策科学部教授。1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。主な業績は、『逆説の地政学』(晃洋書房)。

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