堀江貴文氏が口にしていた注目すべき発言内容
そして、もう1つ興味深い現象が起きている。昨年放送されたインターネットテレビ番組『ABEMA Prime』で、実業家の堀江貴文氏が注目すべき発言をした。具体的な発言内容は以下の通りだ。
(自民党に対抗できる勢力は)マネーと志と戦略があったら作れる。前明石市長の泉房穂さんは、次の総選挙で政権を取れるぐらいの発言をしている。(中略)彼のところに前澤友作のような人が1,000億円を入れると言ったら政治は変わる。そこにインフルエンサーも絡んできたら、小選挙区も比例も一気に獲得して、政権交代する可能性はあると思う。
(23年12月1日付のニュースサイト『ABEMA TIMES』を参照した)
堀江氏による一連の主張は示唆に富んでいる。都知事選で完全無党派を貫く石丸氏だが、勝手に応援する人たちが現れているのは興味深い。例えば、ドトールコーヒー創業者・鳥羽博道氏が石丸氏の支援者となっていることはよく知られている。
鳥羽氏は、石丸氏について以下の通り語っている。「私はかねて国の少子化や財政破綻に危機感を感じていました。石丸さんを動画で知り、あっ、この人だと。都知事選に出るという話を聞き、“あなたこそ日本を変えられる人だ”と手紙を書いて、3週間ほど前、6月初旬に都内で会いました」「僕はいくらでも献金していいと思ったのですが、友人から弁護士に相談しろと言われた。それで弁護士に聞いたら(個人献金は)150万円を超えては駄目だということでしたので、150万円だけ寄付しました。また以前、僕が副会長をやっていたニュービジネス協議会の人々が4,000万円、私も1,000万円、合計5,000万円を法律に沿って貸付けてもいます」と語っている。
そして、鳥羽氏が、各種メディアが“選挙の神様”と持ち上げる選挙プランナーの藤川晋之助氏を石丸氏に紹介し、その藤川氏が選挙本部長を務める小田全宏氏に声をかけ、選挙態勢を整えたという。また、前述の堀江氏や、ひろゆきしなど多くのインフルエンサーが、石丸氏にエールを送っている。
要するに、「デジタルイノベーショングループ」の政治家に、資金・集票力の両面で支援する。同グループのインフルエンサーが影響力を生かし、支援したい人物の認知度向上に一役買うという動きが起こってきたといえるのかもしれない。この動きが本格化すれば、自民党に取って代わる第三勢力が、既存の対立項の「外側」から突然やって来ることは、リアリティを持ってくる。
その意味で、むしろ都知事選の後の石丸氏の動向に注目だ。後に続く人も次々と出てくるかもしれない。本当に政治がダイナミックに動き地殻変動が起きるのは、むしろ都知事選の後なのかもしれない。