核兵器の抑止論が破れるという最悪のシナリオも
逆にNATOが即応性を発揮できず、東欧・北欧の加盟国がNATOに不信感を高めたとしても、核兵器の使用によりロシアシンパが国際社会から消えることに繋がるため、プーチン大統領は自らの手で自らの首を絞め、国際社会において本格的に孤立を味わうことになります。
それでもロシア国内においてプーチン大統領の支持は変わらないと言われています。それは彼も繰り返す「いろいろとこちらから友人になろうと近づいても、結局、欧米諸国はロシアのことを理解しようとはしない。だから表向きだけの国際協調など信用できず、自分のことは自分で守る必要がある」という頭と心の奥底に沁みついた認識が国内で広がり強化されて、ロシアはまた独自の勢力圏を築く方向に進むというだけでしょう。
現時点で予測できるどのようなシナリオにおいても、プーチン大統領が停戦や降参を選択することはなく、それゆえにウクライナそしてその先に予定されている戦いにおいても、ロシアは苦難を耐えて、戦い抜くという姿勢になるものと思われます。
そこで同じようなジレンマ、そして“匂い”を感じるのが、イスラエルのネタニエフ首相の姿勢です。
(メルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』2024年7月19号より一部抜粋。続きをお読みになりたい方は初月無料のお試し購読をご登録下さい)
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