働きながら年金が貰える在職老齢年金が「停止される給与額」はいくら?

 

3.65歳以降も低い給与で働く

さて、A太さんは65歳以降(令和5年2月)は30万円(標準報酬月額)で働いており、7月と12月にそれぞれ60万円の賞与を受け取っていました。
直近1年間にもらった賞与を月換算した額は10万円。

(標準報酬月額と賞与を1ヶ月換算した額の合計をそう報酬月額相当額と言います)

年金月額は報酬比例部分の114,861円のみを用います。

(9月に年金額を改定する在職定時改定は加味していません)

・停止額→{(総報酬月額相当額40万円+年金月額114,861円)ー停止基準額50万円}÷2=7,431円(年停止額89,172円)

よって、A太さんは令和6年現在の年金総額は老齢厚生年金(報酬比例部分1,378,337円ー在職による停止額89,172円+差額加算139,847円)+加給年金408,100円+老齢基礎年金791,066円=2,628,178円(月額219,014円)

なお、退職などで厚生年金資格を喪失した場合は停止額は無くなります。

在職老齢年金による停止で全額報酬比例部分(基金の代行部分含む)が停止した場合は加給年金も全額停止となります。

※追記
厚生年金は最大70歳まで加入できるので、70歳までは厚生年金記録を伸ばして年金総額を増やす事ができます。

70歳以降は厚生年金に加入する事ができないので、それ以降は停止額のみがかかる場合があります。

image by: Shutterstock.com

年金アドバイザーhirokiこの著者の記事一覧

佐賀県出身。1979年生まれ。佐賀大学経済学部卒業。民間企業に勤務しながら、2009年社会保険労務士試験合格。
その翌年に民間企業を退職してから年金相談の現場にて年金相談員を経て統括者を務め、相談員の指導教育に携わってきました。
年金は国民全員に直結するテーマにもかかわらず、とても難解でわかりにくい制度のためその内容や仕組みを一般の方々が学ぶ機会や知る機会がなかなかありません。
私のメルマガの場合、よく事例や数字を多用します。
なぜなら年金の用語は非常に難しく、用語や条文を並べ立ててもイメージが掴みづらいからです。
このメルマガを読んでいれば年金制度の全体の流れが掴めると同時に、事例による年金計算や考え方、年金の歴史や背景なども盛り込みますので気軽に楽しみながら読んでいただけたらと思います。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座 』

【著者】 年金アドバイザーhiroki 【発行周期】 不定期配信

print
いま読まれてます

  • 働きながら年金が貰える在職老齢年金が「停止される給与額」はいくら?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け