家でラーメンを作ると言えば、日本人ならインスタントラーメンが当たり前。せいぜい頑張っても有名店プロデュースのラーメンセットを使って具材に力を入れるくらいなのではないでしょうか。ところがニューヨークでは、スープから家で作る人が増えているのだそう。今回の『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』では、NY在住の人気ブロガー・りばてぃさんが、ブームになって10年は経つというNYの「最新ラーメン事情」を紹介。スープ作りにまで興味が向く背景として、日本とのさまざまな面での違いを伝えています。
自宅でラーメンを作るアメリカ人が増えた!?
アメリカ、特にニューヨークでのラーメン人気はかれこれ10年も前から続くトレンドですが、ここ最近ではなんと『お家でラーメンを作って食べるアメリカ人が増えている』ようです。
具体的には、グーグルトレンドをもとに消費者動向を調査する会社のラーメン分野のデータを見ると、「ラーメンスープ」というキーワードがトレンドワードとして上位にランクインしています。そのデータをさらに詳しくみてみると、「味噌ラーメンスープ」、「豚骨ラーメンスープ」といった個別のラーメンだけでなく、「ラーメンスープの作り方」、「家で作るラーメンスープの作り方」を調べている人たちがけっこうな数いることがわかりました。意外ですよね。
日本人でもお家でラーメンのスープを手作りしようと思う人は多くないと思います。難しいですし、必要な材料も多いですから作ろうという人は少ないです。それに日本ではアメリカよりも圧倒的に既製品のスープの素が手に入りやすいのもあるのかもしれません。でも、アメリカで手に入る商品には限りがあるので作ってみようという人がいるのかもしれません。なお、英語で解説しているラーメンスープのレシピもかなり多く出てまして、例えばかつおぶしをお湯につけて出汁を取るという説明がされているのもあり、なかなか本格的です。
当然、ラーメンスープを作ろうとする人がいれば、出来合いのスープ需要もあるわけですが、新しい商品を取り扱うことで有名なスーパーマーケットのホールフーズでは実はラーメンが流行りはじめていた20年も前から家庭用のラーメンスープの素を売ってました。当時は1社か2社程度だったと記憶しているのですが、今では何社も出しています。またホールフーズに限らず、一般的なアメリカのスーパーマーケットでもいまやラーメンスープを何種類も売っています。販売メーカーはアメリカ企業やアジア系も多いですが、日系メーカーさんも日系スーパー以外にもおろし始めているようです。
家庭用のラーメンスープ需要があるということは、当然、麺の需要もありますので麺だけの商品も売っていますが、それだけでなく、乾燥させたラーメンの具材も売ってます。Ramen Bae、直訳するとラーメンの恋人となりますが、ラーメンの相方という説明がしっくりくるこのEコマースサイトでは、乾燥しいたけや乾燥ナルト、乾燥キャベツなど10種類近くも入っているラーメンの具を買えます。
日本と比べると家庭用のラーメン商品でも価格は高めです。このラーメンの具は数回分入ってますが一袋30ドルほどです。おそらく1食15ドルから20ドルほどで作れると思います。ラーメンを外食すると1人5000円、つまみも頼むと1万円前後するのが一般的なので、それに比べると家で作るだけでもずいぶん安くすみます。
また、アメリカ系のラーメンスープ会社は味よりも天然素材を使ったものや、塩分を控えているなど健康を重視した商品になっている傾向があります。もともとスープを健康のために飲むという習慣に近いかと思います。アメリカではチキンヌードルスープといえば風邪をひいたときに飲むスープですし。経済的にも健康面的にもお家でラーメンを作って食べようという人が増えているようで大変興味深いです。
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