「文在寅元大統領の発言は話になりません」ドナルド・トランプ政権の2度目の安全保障補佐官を務めたマクマスター氏が出版した本は、いま韓国で大きな反響を呼んでいるそうです。無料メルマガ『キムチパワー』の著者で韓国在住歴30年を超え教育関係の仕事に従事している日本人著者は、その衝撃の内容を紹介しています。
文在寅、金正恩の言葉だけを信じて米国に歪曲された情報伝達
「金正恩が(攻撃ではなく)防御のために核を保有するしかなかったという文在寅元大統領の発言は話になりません。朝鮮戦争後、韓半島で起きたすべての攻撃は北韓から始まりました。私は文大統領が金正恩の主張をばかみたいに信じることに決め、したがって歪曲された情報をアメリカに伝えたと思います」
ハーバート・R・マクマスター(62)元国家安保補佐官は4日、本紙(朝鮮日報)の画像インタビューで上気した表情でこのように明らかにした。
ドナルド・トランプ政権の2度目の安全保障補佐官を務めた(2017年2月~2018年3月)3星将軍出身のマクマスターが先月27日に出版した回顧録『私たち自身との戦争:ホワイトハウスでの私の任務遂行』は韓国でも大きな反響を呼んだ。
彼は著書の中で、トランプ政権5か月後の2017年6月に初めての韓米首脳会談のために訪米した文在寅が「(北朝鮮の金正恩は)防御のために核が必要だと信じているだけだ」として、当時のマイク・ペンス副大統領と言い争ったと暴露した。韓米安保当局が北の核の挑発対応および非核化方向をめぐって持続的に異見を示したとも言った。
マクマスター氏は本紙(朝鮮日報)に、「文政権は北朝鮮が聞きたがる言葉を北朝鮮に伝え、(同時に)トランプ氏と米政府が聞きたがる言葉をわれわれに伝えながら仲介者(matchmaker)の役割を果たそうとした」としたうえで、「しかし、結論的に(金正恩が核の放棄が可能であるという)彼が伝えたメッセージは、行き過ぎた楽観に基づいた歪曲だった」とした。
マクマスター氏は安保補佐官時代、北韓に対する制裁などの圧迫を強化し、非核化の目標を達成するという「北韓に対する最大の圧迫(maximum pressure)」政策を立案し、トランプ氏を説得させた人物だ。
彼はロシアなどアメリカの敵性国家への対応問題をめぐってトランプに直言し、2018年3月に更迭された。 その後、強硬派のジョン・ボルトン氏が後任に任命された。マクマスター氏は今年11月の米大統領選挙でトランプ氏が再選された場合、韓半島に与える影響について尋ねると、顔をこわばらせた。
彼は、「トランプ氏が再選された場合、金正恩第1書記と再び首脳会談を行おうとするでしょう。私は彼がもう一度会談を通じて達成しようとする目標が「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」であることを望む」と述べた。