自民党の「総裁選ショー」で小泉進次郎氏が派手なハッタリをかましている。その華やかさにくらべ、立憲民主党の代表選はあまりに地味だ。これに関して元全国紙社会部記者の新 恭氏は、泉健太氏・野田佳彦氏・枝野幸男氏よりも、いっそ吉田晴美氏が代表になったほうが“大化け”に期待できると指摘する。吉田候補は、時限的な消費税5%減税や食料品非課税を掲げるいわば“進次郎キラー”。はたして立憲はここから「財界目線の小泉進次郎 vs 国民目線の吉田晴美」という対立構図を描けるだろうか。(メルマガ『国家権力&メディア一刀両断』より)
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:立憲に出現した女性リーダー。「総裁選ショー」の陰から飛び出せるか
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自民党総裁選で小泉進次郎氏の“ハッタリ”が炸裂中
自民党の「総裁選ショー」は告示日を迎え、いよいよ佳境に入ろうとしている。10人近くもの大物議員が賑々しく出そろった舞台が、陰のプロデューサー描く“筋書き”通りのフィナーレとなるかは、最年少の主演スターの“出来栄え”にかかっている。
というわけで、小泉進次郎氏の演技の主眼は、派手なハッタリをかまし、人間を大きく見せ、地金が出るのを最小限にとどめるというところに置かれることになった。
出馬の記者会見は、その第一幕だ。事前に、記者たちから質問内容を届け出させ、用意周到に台本をつくり上げた。まずは、ハッタリの場。
「総理総裁になったら、できるだけ早期に衆議院を解散し、私の改革プランについて、国民の信を問うことにします」
新総理誕生後、内閣支持率が高いうちに素早く解散するだろうというのが大方の見方であり、とくに驚くような話ではない。それを、大げさな口調で、しゃあしゃあと言ってのけるのが“進次郎節”の真骨頂だ。
そして、自らを「改革を圧倒的に加速できるリーダー」と称して、1年以内に行う改革を挙げてゆく。
「使い道の公開は10年後でいいという政策活動費はもうやめます。非公開でいいとされてきた旧文通費は公開。残金は国庫に返納を義務付けます」
野党が要求してきた裏金問題対策をそっくり借用してはいるが、やめるべきものをやめ、公開すべきものを公開するというのは当たり前のことだ。政権中枢にいる茂木幹事長が、年10億円近くも使ってきたくせに、いまさら「政策活動費」を廃止すると言う厚顔ぶりに比べると、はるかに好感度は高い。
「選択的夫婦別姓を認める法案を国会に提出し、党議拘束をかけずに法案採決に挑みます」
選択的夫婦別姓。長年にわたる懸案だ。自民党右派の強硬な反対を恐れて岸田首相も他の総裁選立候補者も「合意が必要」などと逃げたまま、態度を鮮明にしていない。28年前、法務大臣の諮問機関による答申を受けて法案がまとまったが、自民党が提出を了承しなかった経緯がある。
それを、世界の常識、世論の大勢、経済界の要請に従ってということだろうか、1年以内に提出すると約束したのだから、自民党国会議員としては稀有というべき勇敢な振る舞いではある。