2024年の10月からさまざまなことが変更になります。その中でも、中小企業に影響の大きいものについて無料メルマガ『税金を払う人・もらう人』著者の現役税理士・今村仁さんが紹介しています。
2024年10月変更アレコレ
■最低賃金の改訂
2024年10月から変わることで、中小企業にとても影響が大きいのが、「最低賃金の改訂」ではないかと思います。
厚生労働省は2024年度の最低賃金を全国加重平均で「51円」引き上げ、「時給1,055円」にすると決めました。
今回の上げ幅は2023年の「43円」を更に上回り、過去最大となっています。
最低賃金は都道府県ごとに異なりますが、最高額「1,163円」に対する最低額「951円」の比率は「81.8%」となっていて、昨年の「80.2%」と比べると改善されています。
各都道府県の一覧はこちらとなっています。
■最低賃金が上がることによる中小企業への影響
まずは当然のことながら、賃上げ対応によるコストアップとなります。
最低賃金を大幅に上回る賃金を既に支払っている中小企業では、影響は少ないですが、その前後の賃金者が多数おられるスーパーや工場などでは、昨今の人手不足も相まって、単に最低賃金を上回ればいいという対応だけで済まないケースもあるでしょう。
更には、最低賃金が上がることにより、「年収106万円の壁」などを意識して働き控えが起こる可能性があります。
こちらも、人手不足という形で中小企業経営にマイナスの影響が懸念されます。
■郵便料金の値上げ
いくらネット社会になったとはいえ、郵便はどの中小企業でも日々発生するでしょう。
2024年10月1日から、郵便料金が値上げされます。
「通常ハガキ」や「定形郵便」だけではなく、「定形外郵便」や「レターパック」、「速達料」も値上げされますが、「簡易書留」だけは据え置きとなっています。
例えば、
定形郵便(25g以内)84円→110円
定形郵便(50g以内)94円→110円
定形外郵便(50g以内)120円→140円
通常ハガキ(年賀ハガキ)63円→85円
レターパックプラス520円→600円
レターパックライト370円→430円
速達料(250g以内)260円→300円
簡易書留350円→350円
中小企業実務の影響としては、既に所有している切手やレターパックの取り扱いですが、こちらは差額の切手を貼って対応することになっていて、差額分に対応する額面の切手が販売されています。
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