アメリカ大統領選がトランプ氏の再選というかたちで幕を閉じ、ハリス候補の陣営には「あるもの」だけが残されてしまったようです。今回のメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』では国際政治経済学者の浜田和幸さんが、ハリス陣営の「カネ」の動きについて詳しく語っています。
ハリス副大統領は選挙が終わってみれば借金まみれ!
ぶっちゃけ、アメリカの大統領選挙は「カネまみれ」との批判もありますが、勝敗を決したのは、「カネの使い方」だったようです。
当初、接戦が予想されていたのは、ハリス副大統領の方がトランプ前大統領よりも、はるかに多額の選挙資金を集めていたためでした。
バイデン大統領が選挙戦からの離脱を宣言し、ハリス副大統領を自分の後任に指名したことで、民主党支持者の間では「若くて能力も高く、初の女性大統領の可能性が高い」との期待感から瞬く間に献金が集まったわけです。
その額たるや、選挙管理委員会によれば、10億ドルを軽く突破していました。
対するトランプ氏の場合は、3億8000万ドル強だったとのこと。
ハリス陣営がトランプ陣営より3倍もの資金を集めることに成功したのです。
この潤沢な資金を使い、ハリス陣営ではメディアを懐柔しました。
その影響で、アメリカの主要メディアは「ハリス有利」を匂わせる報道を開票日まで続けていたのです。
しかも、ハリス陣営では有名な女性歌手や司会者に高額な謝礼や選挙集会の会場までの往復のプライベートジェットの提供まで行っていました。
確かに、ハリス候補の選挙集会には大勢の支持者が集まっていたように見えましたが、その大半は有名なタレントを無料で見物できることを期待していたに過ぎなかったようです。
いわば、著名人を壇上に挙げ、「カマラを宜しく!」と言わせれば、得票に結び付くと勝手に思い込んだのでしょう。
残念ながら、そうした期待は水泡に帰してしまいました。
白人女性の投票数を見ても、トランプ候補の方がハリス候補を上回っていたからです。
ハリス陣営は大統領選挙史上、最高額の資金を集めたのですが、その支払先の上位500人を見ると、全てがメディアとコンサル企業、そして動員されたタレントでした。
要は、カネで買われたに等しいメディアやタレントにとっては、ハリス候補を本気で支える気はさらさらなかったといえるでしょう。
その上、勝負がついた後の経理状態を見ると、驚きます。
なぜなら、トランプ陣営は集めた資金3億8000万ドルから3億5000万ドルを使っていました。
ところが、ハリス陣営は10億ドルを超える資金を集めていたのですが、使ったお金は13億ドルを超えていたことが判明したのです。
要は、多額の借金を抱えて、選挙戦を終えたわけで、これから借金の返済に追われるはず。
ぶっちゃけ、カネの使い方に関しては、不動産王の異名を取ってきたトランプ氏の方が上手で、それゆえに「勝利の女神」も微笑んだということでしょう。
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