不法移民排除を公約の一つに掲げ選挙を戦い再選を果たしたトランプ氏。18日には不法移民の強制送還への軍隊動員を改めて示唆したことが大きく報じられています。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では、中国からの不法移民がトランプ氏の「史上最大規模の強制送還」の最も大きい影響を受ける可能性が高いと指摘。彼らがアメリカにとって大きなリスクとなりうる背景を解説しています。
※ご高齢ということもあり、今年3月からメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』の「ニュース分析」コーナーの執筆をスタッフに任せて、自身は「国家論」の連載に集中していた台湾出身の評論家・黄文雄さんが、7月21日に85歳で永眠されました。今後もメルマガは黄さんの思いを継ぐスタッフにより継続されます。
※本記事のタイトル・見出しははMAG2NEWS編集部によるものです/原題:【中国】トランプ政権の大量強制送還で不安定化が進む中国社会
中国からの不法移民を大量強制送還か。トランプが警戒する「安保上の脅威」
● 中國役齡非法移民 川普擬優先遣返(中国兵役年齢の不法移民 トランプが優先的に強制送還か)
以前、このメルマガでも紹介しましたが、近年、アメリカには中国からの違法移民が急増しています。とりわけ中国国内でコロナによる都市封鎖の影響が深刻化した2022年10月以降に、急増したと言われています。
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冒頭のニュースによれば、2022年度~2024年度のあいだに、アメリカの南北国境から不法入国した中国人は、2.7万人から7.8万人へと急増、アジア系不法移民はアメリカの人口のなかでもっとも急速に増加しているといいます。
再選を果たしたトランプ大統領は、就任初日に史上最大規模の不法移民の強制送還を行うと述べていますが、今年4月には、選挙活動中に「過去数ヶ月で3万1,000人から3万2,000人の中国人が入国した。その多くが軍役年齢であり、アメリカ内で小さな軍隊を組織しようとしているのではないか?」と疑問を呈したそうです。
つまり、トランプ大統領はこの中国人の不法移民を安全保障の脅威と考えており、アメリカ国内で反乱分子となりうると考えているわけです。
不法に越境してくる中国人は、中国の圧政から逃れて「亡命するため」の人も少なくありません。アメリカでは新型コロナと米中対立により、中国人へのビザ発給が大幅に制限されたこともあり、他国を経由しての不法入国が相次いでいるのです。
不法越境のルートは「走線」といわれ、SNSで広まっているそうです。代表的なルートはビザの必要がない南米エクアドルまで行き、そこからメキシコを経由してアメリカに入国するというものです。約4,000キロを徒歩で踏破するということで、途中でギャングの襲撃や感染症などで命を落とす者も少なくありません。
● アメリカ国境で中国人の不法入国が10倍増、決死のジャングル越えの理由とは?
その一方で、こうした自由を求めての不法移民に紛れて、中国からのスパイや軍人が入国してきている懸念も広まっています。そのため、トランプ再就任の際に、もっとも多く強制送還されるのは中国人の不法移民ではないかとも言われているわけです。
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