孫正義氏と経団連はもう「日本を見捨てた」…対米投資15兆円も海外企業買収も「日本経済には貢献しない」厳しい現実

 

日本の経済政策はなぜ「日本ファースト」ではないのか?

問題はこのようにどんどんキャッシュが海外に流れ、国内にはカネがないという状況、そして国内は人口減だから投資はしないという流れ、これが際限なく続いて良いのかということです。

人口減は否定できないし、その結果として市場が縮小するのは事実です。また、トランプなどの「自国ファースト」の政権が各国にできる中では、何であっても日本で作って輸出すると批判されるのも事実でしょう。

ですが問題は、では日本の経済政策はどうして「日本ファーストではない」のかということです。

多国籍企業がどんどん海外に事業を移す、これを際限なく続けていたら日本経済は細るだけです。理由があるのは分かります。日本人は原発が嫌いだから電力供給が安定しない、公害が嫌いだから製造業も嫌い、つまりいろいろな規制があるので日本は製造の拠点にならない、それは事実だと思います。

日本製鉄だって、USスチールを買うカネで、日本国内の設備を大更新して競争力を維持する選択はないわけではないのです。ですが、規制と世論がフレンドリーではない中で、国外にカネを回すしかないということになっています。

経団連の立場も分からないではありません。国内ではDXも進まないし、能力主義の適用も進まない、その結果として、企業人はまるで江戸時代の幕藩体制のようなポンコツ共同体を作って儀式やバラバラの事務作業がいつまでも続くわけです。

21世紀においては、知的産業国家イコール準英語圏が必須なのに、それもできないのです。そこを「本当に改革」しようとすると不幸になる、だったら国内の改革をあきらめて国際展開したほうがマシというわけです。

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