行き詰ってしまった時、どうしようもなくなってしまったと感じた時、頼りになるのは「自己破産」という救済制度ではないでしょうか。しかし、自己破産を安易にしてしまうのは危険だとメルマガ『『倒産危機は自力で乗り越えられる!』 by 吉田猫次郎』著者である吉田さんは語ります。自身のメルマガで、自己破産してよかった例、しなくてよかった例などをあげてわかりやすく説明しています。
自己破産の「使い方」について考える
私は自己破産という制度には肯定的ですが、安易に自己破産する事には否定的です。自己破産はよくできた救済制度です。経済的に失敗してしまった人が、いくら頑張っても自力で再起できそうにないような場合には、大いに利用していいでしょう。逆にいえば、まだ頑張りようがあるのなら、慌てて破産せず、とことん悪あがきしたほうがいいと思います。悩み苦しみながらあれこれ試す過程で、「得るもの」が多いからです。
以下、事例です。
【1.自己破産して良かったと思われる事例】
食品製造業。業歴50余年。社長は60代。
年商約1億円、収支トントン。
負債は2億4千万円。うち金融債務は2億円。連帯保証人は社長のみ。
社会保険料の滞納も2千万円ほどある。
資産は自社工場の土地建物と設備が主。他にはあまりない。
資産価値を時価に換算すると2000万円程度(過疎地、老朽化のため)。
つまり、時価ベースで資産2000万円:負債2.4億円という状態・・・。
後継者候補は長男。30代。東京のサラリーマンを辞めて3年前に親の会社に入社。役職は部長。連帯保証はしていない。
そこで、抜本的解決策として「第二会社方式」を検討した。一緒に検討した専門家は、地元の中小企業活性化協議会、弁護士、税理士、任意売却の不動産会社、あと私。スキームは以下のとおり。
「新会社を設立して、そこに事業譲渡しましょう。新会社の社長は息子さんです。新会社は、事業を継ぐけど、債務は継がない。旧会社は破産によって清算する。お父さんの個人保証債務は、できれば経営者保証ガイドラインを使いたいけど、xxやxxxが引っかかって、たぶん適用されない。よって、旧会社とお父さん個人が破産する形になります。」
「工場は任意売却です。親しい間柄にある〇〇さんに時価2000万円で買い取っていただき、息子さんの新会社は、〇〇さんから賃貸で借りる。2000万円の物件ですから、家賃はそれなりに安く上がります。」
「自宅も任意売却です。幸い、お父さんの持ち家は、実勢価格600万円でしたから、もう一人の息子さん(次男サラリーマン)の貯金で、現金で買えます。」
「以上のようなスキームで、お父さんは破産しても引っ越ししないで済むし、息子さんも借金を引き継がずに事業承継できます。全体として、非常にすっきりします」
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