この裁判官は逮捕状を出した後、そくさくと庁舎の裏口から逃避したと言うが、金正恩総書記がこれらの一連の動きの報告を受けたら、喜びどころか逆に驚きと、「そこまでやるのか」と空恐ろしくなったのではないか。
「モノ言えば唇寒し」で人民を恐怖と暴力で支配しているが、良民だと思っている無辜の民もいざとなれば金正恩体制に刃向かうかもしれないかと言うことを、この一連の動きに見取ったのではないか。
さらにここにきて尹大統領支持率は上がってきており、巷では尹大統領を礼賛する「替え歌」が話題と波紋を呼んでいる。この替え歌は尹大統領の警護を担う大統領警護庁音楽家の協力を得て制作し、尹大統領の誕生日に披露されたものである。また、尹大統領に対する行き過ぎた忠誠ぶりを示す事例でると、批判的にみられているほどだが。
「新しい大韓民国のために、天が私たちに送ってくださった大統領が生まれた意義深い今日を、私たちの皆が祝う」の歌詞だ。この替え歌は尹大統領の63歳の誕生日だった2023年12月18日に開かれた警護庁創設60年を祝うイベントで披露された。有名なミュージカルのメロディーなどに尹大統領を褒めたたえる歌詞が付けられ、事前い音楽家によって録音され、当日はこれに合わせて職員が合掌したという。
金正恩にとってみれば、尹大統領は韓国では「民族反逆者」として全国民から追放される人物と考えられているとされがちだ。
しかし、民主主義国家の韓国と共産主義独裁国家の北朝鮮とは市民の意識に大きな隔たりがある。今後も予想される尹大統領支持者たちの動向を金正恩はかたずを飲んでみているのではないか。
韓国の事態は北朝鮮の金正恩政権には「他山の石」ではなく、明日は我が身にもあり得ることと肝に銘じて、行く末を見守っているのではないか。
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