週刊文春“記事訂正”の罠にハマる中居正広とフジテレビの罪。日枝久の退陣は必然、やりなおし会見で露見した異常性

 

週刊文春の記事訂正に小躍りするフジテレビの「消せない疑惑」

交際しているわけでもない中居氏と女性が二人だけの密室で食事をした経緯について、週刊文春は、女子アナに対し優越的地位にあるフジテレビ編成幹部A氏が飲み会をセッティングし、ドタキャンしたと報じていた。

それが“上納接待”の悪習を想像させるもとになっていたが、フジテレビはホームページ上で「当該社員は会の設定を含め一切関与しておりません」と声明を出し、“やり直し会見”でも港社長が「その日のできごとに社員は関与していないと判断した」と繰り返し述べて、文春報道を否定した。

どうやらこの件に関しては、報じる側にいささか勇み足があったようで、週刊文春は28日、訂正記事を出した。

以下は、その内容の一部だ。

昨年12月26日発売号では、事件当日の会食について「X子さんはフジ編成幹部A氏に誘われた」としていました。しかし、その後の取材により「X子さんは中居氏に誘われた」「A氏がセッティングしている会の”延長”と認識していた」ということが判明(中略)事件直前A氏はX子さんを中居氏宅でのバーベキューに連れて行くなどしています。またX子さんも小誌の取材に対して「(事件は)Aさんがセッティングしている会の“延長”だったことは間違いありません」と証言しています。以上の経緯からA氏が件のトラブルに関与した事実は変わらないと考えています。

いずれにせよ、社長も専務も「人権侵害の可能性がある重大事案」として受けとめたのは間違いない。なのにフジは、“事件”が起きた後も中居氏の冠番組を継続し、さらにはパリ五輪やワールドシリーズの特番に中居氏を起用し続けたのである。

「彼女のケア、プライバシーを守ることを最優先にした」「番組を打ち切る動きがはたして、彼女のためにどういう影響があるのか」(大多氏)とあたかも被害女性を守るためであるかのようにフジ側は言い訳するが、明らかにゴマカシである。

表ざたにしたら、刑事事件になるかもしれない。会社の責任も問われかねない。なにより、大物タレント・中居正広氏は番組作りに必要だ。なかったことにしたい。そんな利益優先の考えが女性の人権尊重よりまさっていたのではないか。

「A氏の関与はなかった」「女性のメンタルに配慮して中居氏の番組を継続した」という“防衛ライン”を死守する方針でフジは“やりなおし会見”にのぞんだのだろう。

しかし、はからずもフジテレビの記者が質問に立って「プライベートな領域を盾にして情報隠蔽しているのではないか」と自社のトップに問いただしたように、その意図は見透かされていた。400人をこえる会見参加者の醸し出す不穏な空気が和らぐことはなかった。

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