月に100万円稼ぐタクシー運転手も。地方都市が日本で生き残るためにインバウンドを受け入れるべき理由

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いま日本ではインバウンド(訪日外国人旅行)が増加していますが、こうした外国人旅行客を受け入れている地方はどれほど潤っているのでしょうか? 人気コンサルタントの永江一石さんは、自身のメルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の中で、長野県白馬村での事例をもとに、いまインバウンド効果がどの程度まで出ているのかを解説。日本の地方都市が、今後も生き残っていくために何をすべきか提言しています。

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月収100万円超 第一交通、新潟→白馬村に運転手派遣(日本経済新聞)

よく「インバウンドが来ても地元は潤わない」「一部の業者だけが儲かる」という声を聞きますが、これは大きな誤解です。実際どうなっているか、長野県白馬村を例に見てみましょう。

まずインバウンドの増加により、多くのホテルが建設されました。これによって地元の工務店や建設会社が潤い、人件費も1.5倍ほど上がっています。ホテルには大量の食材が必要ですし、シーツや寝具の洗濯も地元の業者に発注される。何百人、何千人という雇用も生まれます。つまり地域全体が経済的に底上げされているんです。

税収面でも働く人の所得税が増え、消費税も増える。地方税も入ってきて、結果として地域全体が活性化されるわけです。ここが重要なポイントで、例えば北海道の夕張市を見てください。インバウンドを受け入れていない日本の多くの地方都市は、将来的に夕張市のような状況に陥るのが火を見るより明らかでしょう。

今回のタクシーの話もインバウンド効果の好例です。なぜ月収100万円も稼げるのかというと、短距離の乗客を細かく拾うのではなく、長距離移動のニーズに応えているからなんです。

例えば空港からホテルまでの長距離移動。片道数万円を超えるような運賃でも、1泊6万円のホテルに泊まる富裕層の外国人観光客にとっては、それほど大きな出費ではありません。(大きな荷物を持って歩いたりバスに乗る方がしんどいですよね)

実は東京でも似たような状況があって、月収7、80万円稼ぐタクシー運転手さんが少なくないとか。日本ではよくタクシー運転手さんを見下すような見方もありますが、そのイメージは実情とはかけ離れているんです。

大切なのは、こういったビジネスチャンスをどう活かすかです。特に場所選びが大切で、ニセコなどインバウンドが集中する地域でビジネスを展開すれば、多くの収入を得られる可能性があります。逆にインバウンドを避けている地域でいくら頑張っても衰退の一途を辿るでしょう。

何度も言っていますが、これからの日本で生き残れるのはインバウンドを積極的に受け入れている地域だけです。香川や福岡は頑張っていますが、東北など多くの地域はまだ消極的です。「外国人は怖いから来ないで欲しい」なんて言っている場合じゃありません。

経済というのは連鎖的に広がっていくので、一部の業種だけが潤うのではなく、その効果は必ず地域全体に波及していきます。なのでインバウンド観光は地域の未来を左右する重要な鍵なんです。ホテルの従業員の給料が上がれば、他の業種の給料も自然と上がっていく。これが経済の基本的な仕組みだと思います。

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