“中町アンチ”の人々は集団ヒステリーを起こしている
よく通ったであろういつもの交差点で、いきなり道路が陥没し、深さ10メートルの大穴にトラックごと飲み込まれた74歳の男性運転手。救助を待ちながら必死に耐えていたものの、穴は拡大する一方で、釣り上げ作業にも失敗し、分離した運転席は下水管内に流されてしまった。
中は汚水と有毒ガスの硫化水素が充満している。考え得るかぎり最悪に近い死に方だ。どれほどの恐怖だったか。明日は我が身、せめて苦しまずに最期を迎えたことを祈るしかない――。それが八潮市道路陥没事故の現実だろう。
マスコミは「事故から1カ月」「運転手は安否不明」「救助を急ぐ」などと報じ、国民もそれを見守っている。だが、この男性が生存している可能性はない。確実に亡くなっているのに、その事実からすら、私たちは目を背けている。
先の芸能事務所関係者が指摘する。
「『中町兄妹』を叩いている人たちは、八潮市の事故でパニックかヒステリーを起こしてしまっているように見えます。あまりにも理不尽で恐ろしい事故、日本のどこでも起こりうる大惨事でした。語弊を恐れずに言えば、私やあなたも明日、穴に落ちて“汚物まみれ”で死ぬかもしれないわけです。でも日本にはカネがない、働き手もいない、ゆえに有効な対策もない。じゃあどうするんだ?と。そこでスケープゴートにされたのが『中町兄妹』の発言だったのではないでしょうか」(芸能事務所関係者)
八潮市の道路陥没事故は、『中町兄妹』の“不適切発言”とは一切関係なく発生した。これは揺るがない事実だ。それに、27歳の兄と24歳の妹に日本のインフラ老朽化の責任はほぼないだろう。
「こんな日本」にしてしまったのは国や自治体、政治家、役人、マスコミ、そして「もう若くはない」私たち国民の側。そう考えると、20代の若者に笑い飛ばされたからといって、仕事を干してしまうのはさすがに老害ムーブが過ぎる気はする。
日本のインフラは高度経済成長期に集中的に整備された。たとえば全国の橋梁(約72万橋)について、5年後の2030年には「建設後50年超」が55%に及ぶとの国土交通省の試算もある。
安心して道路を歩けない、橋も渡れない日本で現実と向き合わず、ユーチューバーの“不適切発言”を叩くというのは、いかにも罪と罰がアンバランスだ。それでも打つ手がないとなれば、いっそ私たちも『中町兄妹』に倣って笑うしかないのかもしれないが――。
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image by: 中町兄妹 – YouTube