「他人の金を奪えば返り討ちに遭う」という暗黙の掟
ライブ配信サービス各社は、トラブル防止のために様々な対策を講じている。だが、それにはおのずと限界があるともいう。
先の配信サービス関係者が事情を説明する。
「この商売ではサーバーコストだけでなくユーザー監視コストが肥大化しがちです。すべて利用者の自己責任、と突き放せば圧倒的に安く済むのですが、社会的責任がありますし、自社サービスで人を不幸にしたくありませんからね。各社さん、人力やAIによる配信内容のリアルタイムチェックや、リスナーによる通報システムを整備して、トラブル防止に努めていますよ。
ただ、たとえば弊社の場合、“自殺予告配信”や“薬物オーバードーズ配信”からユーザーを守ることに防止の主眼を置いています。配信者とリスナーがプラットフォーム外で連絡を取り合い、私どもの関知しないところで多額の金銭を貸し借りするとなると、これはもう対応のしようがありません。
生配信時に居場所を特定されないようにする、といった細かいノウハウはもちろん啓蒙していく必要がありますが、それ以上に“不当な金の稼ぎ方をすると不幸になる”ということをメディアの方には伝えていただきたいです」(前出のライブ配信サービス関係者)
あくまで現時点では、金銭貸借トラブルは高野容疑者の一方的な主張である点には注意したい。とはいえ早晩、警察の捜査により真相が明らかになるだろう。
仮に容疑者の言い分が本当だった場合、テレビは「殺人は決して許されない」という“正論”に逃げることなく、「他人から奪うなら、返り討ちに遭うのは自己責任」という“暗黙の掟”を伝えることができるだろうか?正論だけでは命がいくつあっても足りないのが世の常だ。
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