横浜流星(正体)と山﨑賢人(キングダム 大将軍の帰還)の“一騎打ち”になった第48回日本アカデミー賞。映画興行収入は山﨑の圧勝なのに、今回、最優秀主演男優賞の栄冠に輝いたのは横浜のほうでした。いったいなぜ?どういう基準で選ばれた?芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが詳しく解説します。
横浜流星が“山﨑賢人との一騎打ち”に勝てた理由
先週金曜日に開催された第48回日本アカデミー賞授賞式、最優秀主演男優賞は横浜流星でしたね。
芸能関係者たちの発表前の予想としては、横浜と山﨑賢人の一騎打ちになるだろう、というのが大方の見方でした。
興行収入だけを見れば、横浜が主演した『正体』はスタートこそ良かったものの、最終興収は7億円を超えたところで終わってしまい、少々寂しい成績を残していました。
その一方、山﨑主演の『キングダム 大将軍の帰還』は17週を超えるロングラン公開で、最終興収も約79.8億円というメガヒットになり、軍配は山﨑に挙がりました。
ただこの2人、所属事務所が同じことから、芸能関係者の間では、マネージメントする側の思惑がどう働くのか…が注目されていたのです。
結果を見れば、日本アカデミー賞協会は、作品がもたらした興収よりも、演者の役作りや演技力に比重を置いた選択をした――と受け取れますね。
これが弾みになって、NHK大河『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の視聴率も盛り上がるといいのですが…。
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横浜流星をめぐる“令和のミステリー”とは?
役者として最高峰の賞に輝いた横浜ですが、実は芸能関係者からは“人気はあるんだけれど、それが興収に結びつかない”というレッテルを貼られており、それが払拭できないでいるのが現実です。
『正体』以前の主演映画を振り返ってみましょう。
たとえば2023年8月に公開された『春に散る』では、横浜がボクシングのプロテストに合格するほどの役作りを見せ、佐藤浩市、橋本環奈が共演したにも関わらず、約2.5億円の興収成績に終わっています。
その4ヶ月前の『ヴィレッジ』も厳しい結果でした。『新聞記者』や『余命10年』の藤井道人氏が監督・脚本を務め、WOWOWやKADOKAWA、テレビ東京も絡んだ話題作でしたが、最終興収は約1.3億円…。恐らくは製作費をも下回る成績だったと考えられます。
さらに『ヴィレッジ』の前、2022年10月には『線は僕を描く』で主演。水墨画に魅了される主人公を演じるため、横浜は水墨画家から絶賛されるほどに1年以上も練習を重ねて撮影に臨んだのですが、こちらの興収成績も約3.6億円…このように、どの作品も残念なかぎりなのです。
横浜は、それこそ山﨑やSnowManの目黒蓮にも負けず劣らずのルックスをしているのに、どうして主演映画の観客動員が伸びないのか…?芸能関係者の間で、今やこれは“令和のミステリー”とまで噂されています。
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ヤラセ説、出来レース説が根強い日本アカデミー賞ではありますが…