進むも地獄、戻るも地獄。独裁者プーチンに足元を見られたトランプ「形だけの停戦」が自らの首を絞める

 

姿勢次第で同盟国からの信頼を失う危険性が高まるアメリカ

ロシアとウクライナは今後少なくとも30日間はエネルギー関連施設に対する攻撃を相互に控えることになりますが、ロシアによるクルスク州の全面的な奪還と、ウクライナ東南部4州の完全掌握のための激しい軍事作戦は継続され、どんどんウクライナの力を削いでいくことになります。

その様子を見て、アメリカは本当にどこまでウクライナを助けてくれるのか?それとも口先だけの介入でウクライナを実際には助けず、結果として見殺しにすることになるのか?

その姿勢次第では、アメリカは全世界に展開する同盟国からの信頼を失い、自国がもつ圧倒的なプレゼンスを縮小するような事態になる危険性が高まります。

その兆しをハッキリと見るまでに、そう時間はかからないものと考えます。これから1か月、長くても日本のゴールデンウイーク明けには、どのような国際情勢が今後、表出してくるのかが見えてくるものと考えています。

明確な方針が見えないトランプ大統領のアメリカと、国際舞台に復帰してきた百戦錬磨のプーチン大統領の工作、そしてスランプから抜け出すためにあがいている習近平国家主席の中国、そして沈みゆく欧州の悲運…。

これらが複雑に絡み合った世界は、一体どのような世界になるのでしょうか?

私たちはVUCAどころではない混沌とした世界でどのように生き残るのか?妄想や恐れではなく、そう遠くないうちに、まじめに考え、迅速に動く必要性に駆られることになるのではないかと懸念しています。

以上、今週の国際情勢の裏側のコラムでした。

(メルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』2025年3月21日号より一部抜粋。全文をお読みになりたい方は初月無料のお試し購読をご登録下さい)

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