『週刊文春』が今月初旬に報じた、国立循環器病研究センター・大津欣也理事長のパパ活疑惑。実はこれは『アクセスジャーナル』の後追い記事にあたるのだが、なぜか文春も触れなかった重大事実がある。「維新」「大阪万博」「森下竜一」と大津理事長のただならぬ関係について、ジャーナリストの山岡俊介氏が主宰する『アクセスジャーナル・メルマガ版』が詳しく報告する。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:『週刊文春』が、本紙の「国循・大津理事長のパパ活疑惑」を後追い報道
実は大阪万博関係者。国循・大津理事長に「論文不正」「パパ活」疑惑
本紙『アクセスジャーナル』では、国立循環器病研究センター(国循。大阪市吹田市)の大津欣也理事長(66)のパパ活疑惑につき、昨年8月から報じている。
心臓手術数ナンバー1の国立研究開発法人という権威ある重大機関トップに論文不正疑惑が持ち上がり、その真偽を確かめるべく第三者委員会が立ち上がり調査中というのにパパ活をしているとはいったいどういうことか、と問題提起した記事だ。
本紙に、この大津氏を尾行したと思われる調査データとともに告発があったことがキッカケ。
それと同じと思われる写真を元に、4月3日発売の『週刊文春』が2頁を割いて、同様の記事を報じている(電子版は4月2日)。ただし、この4月1日付の人事で、大津氏のライバルだった2人が去ったというオリジナル情報も入っている。
『週刊文春』記事には、「大津氏の不祥事がネットメディアで取り上げられた際、大津氏はこの2人が裏で糸を引いているのではないかと疑っていました」とのコメントが紹介されているが、このネットメディアとは本紙を指すのだろう。
本紙では力不足で大津氏に打撃を与えられず、告発者が再度、天下の『週刊文春』に頼んだということか?
本紙既報とわかりながらも『週刊文春』が、真実相当性と共に重大な公益性があると見て取り上げたのはリッパ。実はライバル紙にも、本紙報道が出てからほどなく同じ資料が持ち込まれたのだが、そこは本紙既報ということもあって、長々と結論を持ち越し、結局、記事にしなかった。
今回、『週刊文春』が強調して取り上げているように、大津氏の後ろ盾として加藤勝信元厚労相がいるが、本紙でそのことを取り上げたのは昨年12月で、(ライバル紙は)これでオリジナル記事をやれたはずだからだ。
文春砲が触れなかった「維新」「万博」「森下竜一」と大津理事長のただならぬ関係
ただし、なぜか『週刊文春』が触れていない重大事実もある。
その一つは、加藤元厚労相と大津理事長を繋いだのが安倍友で、かつコロナワクチンネタで相場操縦疑惑、巨額助成金詐欺疑惑の指摘さえある「アンジェス」(4563。東証グロース。東京都港区)創業者である、同じ大阪大学医学部出身の森下竜一・阪大教授であること。
なお、アンジェスと「ファンぺップ」(4881。東証グロース。東京都中央区)は兄弟会社といってもよく、また森下氏はファンぺップの大株主でもある(5・1%)。共同保有割合も、本紙が2022年5月に指摘した時に比べ減っているものの現在も計8・03%保有している。(次ページに続く)
維新と大阪万博に忖度か。不正疑惑の結論を先延ばしする第三者委の欺瞞