なぜ今が基礎を固める絶好のタイミングなのか
社会が不安定になり、株式市場が暴落や低迷している時期こそ、配当投資の土台を築く最適な時期である。景気の下降局面では企業の株価が割安になりやすく、将来的なリターンを最大化できる。
この時期こそが、配当を増やす大きなチャンスである。
過去の相場を見ても、景気後退期に仕込んだ銘柄が、その後の回復局面で大きく評価されている事例は多い。
たとえば、2008年のリーマンショック時、株価が大幅に下落したタイミングで投資した個人投資家の中には、10年後に資産が数倍になった例も少なくない。もちろん配当収入も積み重なり、長期で見れば相当なリターンとなったはずだ。私もそうした人間のひとりである。
あのとき、私は暴落した相場の中で、よろこんで買っていた。どこが底なのか、いつ世の中が落ち着くのか、いつ相場が上がるのか、まったく予測はしなかった。予測する必要すらもなかったともいえる。なぜなら、最初から長期で保有すると決めていたからだ。
大きな利益や配当を得るには、短期的な値動きにとらわれず、堅実に長期で保有し続ける視点が必要となる。配当を受け取るだけでなく、それを再投資に回す「複利の力」も活用できたら、資産はもっと加速度的に増えていく。
年に3%の配当を受け取り、それを再投資すれば、元本はおよそ24年で2倍になる。これが5%なら15年ほどで倍になる。増配銘柄を買っていれば、もっと早く倍になる。
こうした「配当投資」を成功させるために必要なのは、「相場を当てる技術」ではなくて、「長く保有し続ける能力」であると言える。配当を貪欲に求める投資家は、どのみち「長期で売らない」のだから、相場を当てたところで何の意味もない。
意味があるのは、世の中が浮かれていようが、沈んでいようが、退屈なほど平穏であろうが、動乱であろうが、何があっても初志貫徹で、その銘柄を保有し続け、できれば配当再投資や定期に定額を積立のように投資し続けることだ。(次ページに続く)
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