あなたの企業の生存戦略はどのようなものでしょうか?メルマガ『『倒産危機は自力で乗り越えられる!』 by 吉田猫次郎』の著者である吉田さんは、企業における生存戦略について、短所や欠点を改善するのではなく、強みにすることが必要なのではと説いています。
生物の生存戦略、企業の生存戦略。
マンボウという魚は3億個もの卵を産むそうです。その産卵方法は、広い海に分散するだけです。当然、喰われてしまうことも多いに違いありません。最終的に、成魚になれるのは数匹だけだと言われています。要するに、マンボウの生存戦略は、「たくさん卵を産むこと」なのです。
逆に、ウミタナゴという体長20センチくらいの魚は、卵胎生といって、体内で卵を育て、5センチくらいに育ってから出産します。1回あたりの出産数は3匹から数十匹。少ない子供を大事に大事に育てるのが、ウミタナゴの生存戦略なのですね。
ほかにも、生物の生存戦略には面白いものがたくさんあります。平べったい体型で砂底と同化したヒラメ。産卵期になると川へ遡上するサケ。小さくて狙われやすいけど万単位の集団行動で生存戦略を図るイワシなど。
何百万年もかけて、このように進化・多様化していったのですね。
企業の場合は?
ところで、「生存戦略」という言葉は、企業にもよく使われています。ネットでその定義を検索してみたところ、検索結果(AI)にはこう書かれていました。
「生存戦略とは、企業などが、生存や成功、繁栄のために講じる計画や方法を指します。これは、競争の激しい市場での生き残り、危機からの脱出など、さまざまな場面で用いられる概念です。」
私は25年前の素人だった頃から、「生存戦略」が気になっていました。
「俺が継いだ家業は倒産寸前の弱小零細企業だ。カネも信用もない。頼れる人材もいない。どうやって生存戦略を組み立てたらいいだろうか……?」
「売上を増やす?カネを集めて設備投資する?そうやって競争に勝つ?いや、ウチにはそれは向かないだろう……」
「海の生き物にたとえれば、俺はマグロにはなれない。サメにもなれない。サケも難しそうだ。」
「もっと小さくていいから、変幻自在で、あらゆる変化に耐えられる生き方がいい。ヒラメとか、ウツボとか、深海魚とか、砂の中で暮らすチンアナゴとか……」
「これを自分の会社の生存戦略に当てはめると、売上拡大はしない。仕入もしない。仕入の要らない商売がいい。固定費も極力かからなくしたい。運転資金があまりかからないビジネスモデルがいい。それでいて、世の中の変化に臨機応変で、不景気でも好景気でも、円高でも円安でも、売り手市場でも買い手市場でも対応できる商売にしたい。後継者はいらない。自分一代だけでいい。ただ、できることなら長く続けたい。」
……などと、よく自問自答したものです。
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