中国が予見する“第2、第3のトランプ”の出現
そもそもベッセントが言及したように、「米中が互いに高関税を賦課する現状は持続可能ではない」のだ。
中国はそうした現実をアメリカ国民が広く実感するまで、耐え抜こうとしているのかもしれない。
その理由は簡単だ。
単に相殺関税が解消されても、アメリカ国民が広く米中対立のデメリットに気が付かなければ、第二、第三のトランプが今後も現れ、無駄な米中対立が繰り返されると中国は見ているのだ。
実際、訪欧したJ・D・バンス副大統領は、トランプよりも強硬な姿勢で欧州を突き放した。バンスらの世代の政治家を支えるブレーンたちの考え方にも、対外強行の傾向が顕著だとされる。
つまり、いま多少の返り血を浴びたとしても、彼らにルーズルーズを学ばせること方がはるかに重要だと中国は考えているのだ。
(『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』2025年5月4日号より。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をご登録ください)
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