我が国にトランプのケツを蹴っ飛ばす気概はないのか?“裸の王様”の妄動を諭すことなくケツを舐めにゆく下劣極まる石破政権

Washington,-,Feb,28,2025:,President,Donald,Trump,Speaks,To
 

2013年のオバマ大統領の「アメリカはもはや世界の警察官ではない」との発言から12年、今や世界を混乱させる存在に落ちた言っても過言ではない米国。一体何がアメリカをここまでの迷走状態に追い込んだのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』ではジャーナリストの高野孟さんが、その根本的原因を考察。さらにトランプ大統領を諭す役割を放棄した石破政権に対して、極めて批判的な視線を向けています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:「冷戦が終わった」ことの意味をもう一度確かめたい/今更ながらの「そもそも」論からトランプを斬る

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

冷戦は終わった。今更ながらの「そもそも」論でトランプを斬る

毎日毎日、トランプ米大統領がこう言った、いやこんなことを言い出したといった話で持ちきりで、日本政府もマスコミもそれに振り回されてバタバタしているうちに、何が今の時代の基調なのかを見失ってしまっているかのようである。こういう時こそ、もう少し落ち着いて、大局を見て身の処し方を考える必要があるのではないか。

そこで、本誌では繰り返し論じて来たことではあるけれども、改めて「そもそも」論を述べることをお許し頂きたい。

「超」の付かない「大国」への軟着陸に失敗したアメリカ

トランプの米国がなぜこれほどまでにせわしなくスッテンバッタンの醜態を演じ続けているのかと言えば、「冷戦が終わった」後では、もはや「覇権国」も「超大国」も存立することは出来ず、超大国は「超」の付かない「大国」の1つというワンノブゼムの位置に自らを軟着陸させなければならないはずなのに、そのことを理解できずに、思い通り行かないことに苛立って怒鳴り散らしたり暴れ回ったりしているうちにどんどん体力を消耗させ、ついには錐揉み状態で墜落する硬着陸路線へと突き進んでいるためである。ひと言でいえば「ポスト冷戦時代への不適応」という失敗である。

「超」が付かなくなったとはいえ、依然として軍事的にも経済的にも最大の「大国」である米国が、巧くワンノブゼムの居場所を見つけて落ち着くことが出来ずに、のたうち回って暴れているのは、ご本人にとっても気の毒なことであるけれども、それよりも全世界にとって大迷惑であり、米国こそが世界の安全保障上の共通の最大の脅威だとさえ言える異様な事態である。

この認知障害気味だが体力だけはまだ旺盛な独居老人をどうやって拘束し、大人しく寝かしつけるかという介護サービスを実施しなければならない。それを提供できるベストの形は、中国を筆頭にインド、日本、EU、ロシアなど主要国の多国間連携による対米包囲網である。

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